広島・誠也に110打席ぶりタイムリー コイの季節にのぼり調子じゃ!今季初の4連敗で借金3も希望の光

[ 2021年5月3日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3ー7阪神 ( 2021年5月2日    甲子園 )

<神・広>3回1死二塁、広島・鈴木誠は左線に適時二塁打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 広島は2日の阪神戦に逆転負けし、ともに今季ワーストの4連敗で借金3となった。鈴木誠也外野手(26)が3回に自身110打席ぶりの適時打となる先制二塁打を放ったが、勝利には結び付かず。先発した野村祐輔投手(31)が4回0/3を5失点と乱れた。5位・中日にゲーム差なしに迫られ、3日からは本拠・マツダスタジアムで巨人3連戦。今季2カード連続で勝ち越している相手との対戦で勢いを取り戻したい。

 先制点の取り方としては理想的だった。3回、先頭の菊池涼が中前打し、羽月が初球で犠打を決め1死二塁。3番鈴木誠がカウント1―1からガンケルのツーシームを強振した強烈な打球は三塁線を破る適時二塁打。鈴木誠にとっては3月31日の阪神戦以来、110打席ぶりのタイムリーだった。

 試合後、適時打から遠ざかっていた現状を「気にしていなかった」と気丈に振る舞った。しかし、個人成績よりもチームの勝利を最優先に願う性格を考えれば、本心は違うはず。3月に適時打2本を記録したが、6本塁打11打点を挙げた4月は得点圏打率・217と低迷し適時打なし。開幕24試合目だった4月23日の巨人戦から、打順は4番から3番に変更されていた。

 1、2番の菊池涼、羽月が好調で出塁率が高く、3番の役割は重要さを増している。「いいところで打てればいい」と言ったのは本音だろう。打率・321、出塁率・443と状態は悪くないだけに、得点圏での一打が肩に入っていた力を軽くしてくれるに違いない。

 ただ、この貴重な1点は守備のミスにかき消された。3―5の6回、代打板山の犠打を野選とし二塁送球が悪送球となって一、三塁とピンチ拡大。その後、1死満塁から坂倉の捕逸で失点するなど1イニング2失点につながった。8回は失点にこそつながらなかったが左翼手・長野が落下点に入った近本の飛球を落球。チーム23失策はリーグワーストとなった。

 6回以降の無得点は、守備のミスから生じたリズムの悪さと無関係ではない。佐々岡監督は「いまの阪神に隙を見せると襲いかかってくる。しっかりしないと勝負できない。広島に帰って、もう一度気を引き締めてやり直さないといけない」と課題を整理した。

 鈴木誠は「まだ5月。これからだと思う」と言った。収穫には前を向き、見つかった課題は早いうちに解消しておきたい。(河合 洋介)

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