東尾修氏、左腕不足の西武にダーモディは大きな戦力 これが19歳?感心させられたオリ宮城の投球術

[ 2021年5月3日 22:56 ]

パ・リーグ   西武3―6オリックス ( 2021年5月3日    メットライフD )

<西・オ7>力投するダーモディ(撮影・尾崎 有希)
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 3日の西武―オリックス戦で先発した両左腕を、本紙評論家の東尾修氏(70)が分析した。来日初登板で5回無失点の西武の新外国人マット・ダーモディ投手(30)は、左腕不足の投手陣にとって大きな戦力と強調。また、7回2失点で今季3勝目のオリックス・宮城大弥投手(19)については、その技術の高さを絶賛した。

 試合に負けても、西武首脳陣はホッとした面もあったと思う。来日初登板の新外国人ダーモディだ。左投手がいないという苦しい台所事情の中で、今後へ向けて期待できるものを見せてくれた。

 良かったのは右打者の内角への直球。カット気味に懐へ食い込むように来る。この球を軸に縦のカーブ、チェンジアップを投げ分けていた。評判通りにコントロールもいい。ただ、気になったのが5回で89球を要した球数だ。チェンジアップが真っすぐ落ちてくるのでファウルになる。追い込んでから1球で仕留められずに、粘られて打ち取るのに苦労していた。球数を要したのはそのためだ。

 欲を言えば、このチェンジアップがシュート気味になってくるといい。右打者の外角へ逃げながら落ちてくれれば、空振りが取れるし、打っても凡打になる。球数も減って、もっと長いイニングを投げられるだろう。

 一方、オリックスの先発・宮城は落ち着きぶりといい、投球技術といい、「これが19歳なのか」と感心させられた。素晴らしいのは直球、スライダー、カーブとどの球種もストライクがストライクが取れるし、常にストライク先行で投球できること。内角へしっかり投げきれるので、ボール球を振らせることができるし、内野ゴロも打たせられる。6回まで1安打1四球の投球は圧巻。西武打線を手玉に取っていた。

 2失点して途中交代した7回、打たれた3安打は全てシングルだった。ピンチでもストライク先行で、フルスイングをさせなかった結果だ。7回2死まで投げさせたのは首脳陣の厚い信頼の表れ。普通なら栗山に最初の適時打を打たれた場面で交代だったろう。

 私が19歳のとき、こんなコントロールも技術もなかった。派手さはないが、コツコツ長く活躍できる投手。これから楽しみだ。(本紙評論家)

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