深刻、貧打線…広島は直近5試合で4度目の零封負け 初回の走塁ミスが最後まで響く

[ 2021年4月18日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0ー5中日 ( 2021年4月17日    バンテリンD )

<中・広>ベンチでうつむく広島・佐々岡監督(中央)(撮影・椎名 航)
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 広島は17日の中日戦で、11日以降の1週間以内で4度目となる零敗を喫した。これは11年の球団ワーストタイ4試合連続零敗以来の屈辱。得点圏に3度走者を進めたが、こちらも球団ワースト17三振に迫る16三振で好機を逸した。初回には、西川の右越え二塁打で二塁走者・羽月が生還できない走塁ミス。打線が低調な今こそ、今春から取り組んできた積極的な走塁意識の徹底が求められる。

 打者の力みは、三振に変わった。0―1の6回1死から鈴木誠が柳から中堅フェンス直撃の二塁打を放つも、坂倉、堂林が2者連続の空振り三振に倒れて同点機を逃した。先発メンバーで三振しなかったのは、羽月と田中広のみ。18年9月22日の阪神戦以来3年ぶりで、球団ワーストまで1に迫る16三振を喫しての零敗を喫した。朝山打撃コーチは「審判も低めを取っていたので、そこを振っていかないといけなかった。(柳に)いい投球をされた」と振り返った。

 これで11日以降の1週間以内で4度目の零敗となった。点取りゲームの野球において、点が取れなくては勝てるわけもない。1~4番が6安打を集中させながら、5番以降が無安打とつながりを欠いた一戦。佐々岡監督は「初回が全て。走塁ミス」と敗因を挙げた。

 初回1死から羽月が左翼線への二塁打で出塁。続く西川が放った飛球は右翼方向に高く上がってフェンスに直撃するも、二塁走者・羽月がタッチアップに備えて帰塁しており、三塁止まりとなった。羽月自身も「還らないといけなかった」と振り返る場面。後続の鈴木誠、坂倉が凡退して先制機を逃し、指揮官は「(走塁ミスの)その後に走者を還せなかった。チャンスで一本打てれば流れも変わっただろう。それ以上言うことがない」と初回の拙攻を悔やんだ。一つのミスが相手先発・柳を調子に乗せ、16三振、零敗の引き金となってしまった。

 次の塁を狙う走塁姿勢を徹底させようと、今春キャンプから走塁練習に時間を割いてきた。しかし、けん制死などで流れを手放す場面も見られ、開幕19試合で9盗塁はリーグ5位にとどまる。チーム54得点も同5位に低迷。打線が低調なだけに、一つの判断ミスが命取りとなる重圧とも戦わなければならない。

 朝山打撃コーチは、「今日も普通なら初回に1点入っているところだったし、あまり無得点とかは関係なく、勝ちは勝ち、負けは負け。明日切り替えてやるだけです」と下を向かなかった。若手にとっては、失敗も貴重な経験。今こそ、徹底してきた高い走塁意識の本領が問われている。 (河合 洋介)

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2021年4月18日のニュース