楽天・浅村、お目覚め弾!7戦目で昨年キングがチーム1号

[ 2021年3月17日 05:30 ]

オープン戦   楽天3―5オリックス ( 2021年3月16日    静岡 )

<楽・オ>4回1死、左中間にソロ本塁打を放ち、ベンチの祝福を受ける浅村(撮影・吉田 剛)
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 昨季本塁打王の楽天・浅村は、待望の一発を放っても「気持ち的に楽になるわけではない」と喜ぶことはなかった。4回1死走者なし。カウント1―1から、田嶋が投じた内寄りの甘い直球を見逃さない。強烈な打球はバックスクリーンから本塁方向へ吹く強風を切り裂き、左中間席に飛び込んだ。今季初アーチはチームのオープン戦1号でもあった。

 「相手が投げる球への反応や、そのコースにどうやってバットを出すか。そこを詰めている。あくまでもシーズンで良い活躍をするための過程です」

 毎年のことだが、オープン戦の結果はみじんも気にしていない。調整が一任されている中、意識するのはプレーに宿る「意思」だ。明確な意図を持って打席に立ち、試合の中でしか確認できないことを体に覚えさせていく。「結果を気にするのはシーズンに入ってからでいい」。キャンプでのトレーニングをベースに、今は実戦の中で徐々にゲーム感覚を研ぎ澄ましている。

 今年のオープン戦は7試合で11打数2安打(打率・182)、1本塁打。楽天移籍後は19年が打率・184、1本塁打、20年は打率・145、0本塁打だった。オープン戦では数字へのこだわりを捨てて、課題に向き合うことでシーズンでは圧倒的な成績を残してきた。

 ここまで全試合で4番に座り、2打席で交代している。残り5試合。間もなく仕上げに入る。ラスト3試合は打席数を増やし「長いイニングを守っていないので、フル出場に慣れさせたい」。頼れる主砲は数字を超越した別次元の調整で開幕に向けた準備を進めている。(重光 晋太郎)

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2021年3月17日のニュース