巨人・秋広、開幕スタメン争い「一歩」リード 大きな歩幅「13歩」で奪った内野安打で初打点

[ 2021年3月10日 05:30 ]

オープン戦   巨人3―5ソフトバンク ( 2021年3月9日    ペイペイD )

<ソ・巨>2回、同点適時内野安打を放つ秋広(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 13歩。内野安打を放った巨人のドラフト5位・秋広(二松学舎大付)の打席から一塁到達までの歩数だ。プロ野球選手では一般的な身長1メートル80の梶谷は同じ内野安打で14歩。「大きな一歩」であることが分かる。

 「走塁がダメな選手と思われたくない。走塁でも隙がないよう意識している」。高卒新人では王貞治以来62年ぶりの開幕スタメンが現実味を帯びてきた。そのソフトバンク球団会長の前で披露したのが俊敏さだった。

 2回1死満塁。杉山のカーブに食らいついた。打球は緩い当たりで遊撃・今宮の前へ。「終わった…」と思ったが大きなストライドを生かし、オープン戦10打席目で初の適時内野安打とした。チームの高卒新人がオープン戦で打点を挙げるのは93年の松井以来、実に28年ぶり。「タイムリーになって良かった」と喜んだ。

 2年連続4連敗した昨季の日本シリーズ。巨人からドラフト指名を受けていた秋広はテレビ観戦していた。悔しさを胸に「優勝に貢献したい」とリベンジを誓ってから3カ月。鉄壁を誇る今宮から足で安打をもぎ取った。

 打席内容も「大きな一歩」だ。打ったのは緩いカーブ。オープン戦4安打目で初めて変化球を安打とした。試合前には原監督からバットの出し方で指導を受け「ボール球が見え始めた気がする」と手応え。体が前に突っ込まずに球を我慢して手元まで引きつけ、なんとかバットに当てた。

 日本人で最長身の身長2メートルで7頭身。加えて50メートル6秒2の足で内野安打をもぎ取ったが、一塁守備では誰よりも体を伸ばして送球を捕球できるため相手の内野安打をつぶせる。7回からはDHを解除して一塁の守備に就き、唯一のフル出場。期待は高い。

 「もっとレベルアップしていけるようにしたい」と秋広。規格外の男は想像を超える速さで、プロの世界を駆け抜けている。(小野寺 大)

続きを表示

2021年3月10日のニュース