「怒れ、番長っ!」 助っ人抜きの戦い…DeNA・三浦監督にお願いしたいこと

[ 2021年3月10日 09:00 ]

DeNA・三浦監督
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 1月13日付の記者コラムで「今年は結果に関係なく番長を温かく見守る」と書いた。「初めて指揮を執るのだから起用ミスや采配ミスが生じても仕方ない」の思いだった。だが、DeNA・三浦監督を取り巻く状況は1月と比べ、さらに変化した。

 8日のオンライン取材で三原一晃球団代表は「外国人は開幕に(全)10人が間に合わないのが濃厚」と明かした。コロナ禍の影響でビザの発給が凍結され、26日の巨人との開幕3連戦(東京ドーム)からしばらくの間、ソト、オースティン、エスコバーら主力がそろわない純国産メンバーで戦うことになる。

 三浦監督は「ネガティブにならず前を向く」と話す。新監督の厳しい船出に記者の「温かく見守る」気持ちはより強くなった。ただ、1点だけ2月の沖縄・宜野湾キャンプから取材を続け、監督にお願いしたいことがある。

 それは「怒れ、番長っ!」だ。とにかく優しく、気を遣う。けが人が1人も出なかったキャンプのMVPは「全員」。選手との対話を重視し、首脳陣との敷居を低くするのが番長流で、チームの雰囲気はいい。

 一方で、記者はここまで指揮官の「カミナリ」を見ていない。キャンプ中の練習試合でも、守備の連携ミスを中心に「ここは“カミナリ”か?」と思う場面が何度かあったが「静」だった。長いシーズンを戦うには、ときにチームをピリつかせ、ナインに緊張感を与えることも必要となる。その姿を見てみたい。

 9日の日本ハムとのオープン戦は、11安打9得点と打線が活発で、純国産打線の意地を見た。開幕まであと16日。選手のテスト期間も大詰めで、あとは「カミナリ」の試運転があるかどうか…。助っ人抜きの戦いで、番長のムチも「横浜一心」に欠かせない一つと考える。(記者コラム・大木 穂高)

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2021年3月10日のニュース