真の強打者にシフトは通用しない　オリ吉田正が一発＆内野安打で「包囲網」突破

オープン戦   オリックス5ー0DeNA （ 2021年3月7日    横浜スタジアム ）

＜D・オ＞初回1死　先制の本塁打を放ちナインに出迎えられるオリックス・吉田正（撮影・久冨木　修）
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　今年は昨年以上に相手の上を行く。オリックス・吉田正が初回にオープン戦1号となる決勝の先制ソロ。豪快な一振りで自身の「春到来」を告げた。

　「うまくボールの下にバットが入ってくれたし、いい角度が付いたかなと思います」

　先頭の田城が倒れると、三塁手の宮崎が二遊間の間に位置する二塁後方に守備位置をチェンジした。吉田正にとっては想定内。カウント2―2から上茶谷の内角スライダーを強振した一撃は右翼席に着弾した。キャンプ中の紅白戦も含め11試合、通算24打席目での今春実戦初アーチだった。

　シフトの裏もかいた。3回2死無走者で、再び独特な守備隊形を敷かれると、今度は宮崎が「不在」となった空白の三塁方向へ転がす遊撃内野安打で2試合連続複数安打を記録。極端に右方向への打球が多いことから、日本ハムが19年から「吉田正シフト」を導入。他球団も追随し今季も予想されるが「特別変わらず。追い込まれたら反対方向の意識で。ヒットゾーンを広く使えたら」と“突破”に向け柔軟に対処する構えでいる。

　昨季は打率・350で首位打者も、14本塁打に物足りなさを感じた。「本塁打になる形が自分のいいスイング。そういう打席が多くなるように」。19年の29本を最低ラインにアーチ量産を思い描いた。　（湯澤　涼）