野村謙二郎氏　奥川は今後イニング数をどう増やすかが開幕ローテへの鍵

オープン戦   ヤクルト0-2広島 （ 2021年3月7日    マツダ ）

＜広・ヤ＞ヤクルトの先発・奥川（撮影・奥　調）
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　【野村謙二郎　視点】今年の実戦初登板にしては、ヤクルト・奥川は良かったと思う。高卒2年目の春季キャンプを終え、ステップアップした跡は随所に見えた。例えば彼の武器のスライダー。空振りを奪ったり、左打者の内懐に食い込む軌道で詰まらせたり、切れ良く決まった時には十分通用すると改めて感じた。

　本人は、この日の投球内容に納得していないと聞く。確かに、いい球と悪い球はハッキリしていた。ただ、ベンチは打った打たれたよりも、投球の軌道や球数、ストライク先行の割合などを見ていたはずだ。何より、昨季のプロ初先発で打たれた広島相手の実戦初登板を、意識過剰にならずゼロに抑えている。その事実が重要だ。

　開幕ローテーションを目指すなら、今後はイニング数をどう増やしていくか。次回は3イニングで球数50～60球がメドだろうか。先発なら最低でも責任回数は投げないといけない。5回で球数100球。結果と内容でアピールを続けるのは当然だが、そのラインが段階を踏む中での課題になる。（スポニチ本紙評論家）