楽天・マー君 20日、日本ハムとの練習試合で2666日ぶり日本実戦マウンド!ドラ1早川と豪華リレーも

[ 2021年2月15日 05:00 ]

軽快な動きでフィジカルトレをこなす田中将(撮影・白鳥 佳樹)      
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 ヤンキースから8年ぶりに楽天へ復帰した田中将大投手(32)が、20日の日本ハムとの練習試合(金武)で先発することが14日、分かった。1、2イニングの予定で、日本で実戦マウンドに立つのは13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦で胴上げ投手となって以来2666日ぶり。当日はドラフト1位・早川隆久投手(22=早大)が登板する可能性も高く、豪華リレーが実現しそうだ。

 8年ぶりに国内で投げる田中将の実戦が、20日に決まった。ここまで順調に調整。実戦でしか養えないマウンドでの感覚や、イニング間の流れの確認など、試合勘を取り戻すことがテーマとなる。早川とのリレー実現や、昨季リーグ打点王の中田、4年目の覚醒が期待される清宮らと対戦する可能性も膨らむ。

 13日深夜、福島・宮城県で最大震度6強を計測する地震が発生した。右腕はこの日午前7時47分にツイッターを更新。率直な思いをつづった。

 「現在沖縄に滞在しているのでニュースを見て知りましたが昨夜の地震かなり大きく揺れたみたいですね。僕は幸い、家族などの安全がすぐに確認できたのでよかったですが、被害が出ていますし余震があるかもしれないので対策含めてまだまだ警戒をしないといけない状況が続きますね」

 78勝を挙げたヤンキース在籍中も、東北への思いは変わらなかった。先月30日の復帰会見では東日本大震災から10年の今季を「自分にとって意味のあるタイミングと思ったので、今回の決断に至りました」と語っていた。

 東北に日本一を届けた13年。当時のボールとマウンドの感触を思い出し、メジャーでの7年間の経験と融合させるべく、着々と準備を進める。ツイッター更新から約3時間半後、今キャンプ4度目のブルペン投球では47球。途中から小山投手コーチを左右両打席に立たせてカーブ6球、スライダー8球、スプリット7球、ツーシーム3球を投じた。

 圧巻は、あえて高めに投じるスライダー。初めて球を受けた田中貴が証言した。「内外への高めのスライダー。インハイ真っすぐは普通に投げますが、変化球を高めに投げる投手はなかなかいない。凄く楽しかったし、勉強になりました」。昨季途中に巨人から加入した7年目の28歳が感嘆。ツーシームも小山コーチの懐を突く。見守った石井監督、三木谷浩史オーナーも、満足そうにうなずいた。

 愛着のある東北で、ファンに自らの勇姿を――。今キャンプは無観客だが、田中将は約1カ月半後の開幕を見据え、まずは南国の地でマウンドを踏みしめる。(伊藤 幸男)

 ▽田中将と東日本大震災 3・11から約1カ月後の4月8日に震災後初めて仙台に戻り、東松島市の避難所を訪問。子供たちと触れ合い「逆に勇気をもらった」と語った。11年4月の復興試合では日本ハム・斎藤らと募金活動を行い、12年12月には「プロ野球88年会」の支援活動で福島市を訪問。小中学生への野球教室や、ボランティアでの炊き出しを行った。個人としても12年2月には沢村賞(11年)の賞金300万円を宮城県南三陸町の漁業組合に寄付。ヤンキース移籍後も継続的に仙台市の小学校を訪問し、「震災を風化させてはいけない」と口にしている。

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