阪神・佐藤輝はやっぱり「ギータ級」 “本家”の2年先輩が証言 広島・岩本スコアラー「ああなると怖い」

[ 2021年2月15日 05:30 ]

小野寺(左)に向かってサムズアップを見せる阪神・佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 「ギータ級」脅威!14日に予定されていた練習試合の広島-阪神戦(コザしんきん)は雨天中止。その試合に「3番・右翼」で先発予定だったドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)について、キャンプ初日から密着マークする広島の岩本貴裕スコアラー(情報課主任=34)が広島商の2学年後輩になるソフトバンク・柳田との共通点を証言。さらに警戒を強めた。

 阪神1軍キャンプを初日から密着マークしている広島の岩本スコアラーは、黄金新人の破壊力あるスイングに目を見張り、それを何よりの脅威と評した。

 「振れるし、飛ばす力もある。あれだけ振れるのは、彼の魅力だと思う。相手は絶対に振られると嫌なので」

 初実戦だった4日の紅白戦こそ3打数無安打だったが、9日の日本ハム戦では一発を含む3安打3打点など紅白戦と対外試合の計4試合で13打数5安打3打点。そのすべてを目に焼き付け「実戦4試合を見ていても徐々に内容も良くなって順調に対応してきている。対応力があるなと思いながら見ています」。7日の紅白戦では藤浪の直球に空振り三振。プロの投手と戦う上で最初の“壁”とも言える150キロ超の直球への対応についても「これからどんどん経験して打席に立って振っていく中で対応できると思う」と警戒を怠らない。それには「根拠」があるからだ。

 1月の新人合同自主トレ期間中、平田2軍監督が佐藤輝について「柳田のようなスイング」と話したことがあった。岩本スコアラーも「似ている感じはある」とうなずく。この言葉には十分な説得力が備わる。広島商の2学年後輩で球界を代表する打者に成長した柳田の“過程”を知る同スコアラー。佐藤輝が持つ共通点として「豪快なフルスイング」を挙げ、将来的に“柳田級”へ到達する可能性も感じている。

 「彼(柳田)の最初の1年目も振るけど当たらなくて、三振も多かった。ですけどフルスイングを忘れずにやれたからこそ、今があるんじゃないかと。(佐藤輝も)ああいうふう(柳田級)になると怖いんですけど、なるような感じもします。今はどんどん失敗してもいいと思うし、その中で得られるものがたくさんあると思う」

 広島との練習試合は雨天中止。岩本スコアラーは「残念でしたけど、天気ばかりはしょうがないですね」と苦笑した。その上で改めて「他の選手もそうですけど、佐藤選手もこれからしっかり追い続けていきます。彼もどんどん対応しながら、いろいろ考えながらやってくると思う。しっかりマークしていかないと」。柳田の「未完の大器」時代を知るからこそ、同じ雰囲気を漂わせる猛虎の大砲候補への徹底マーク継続を誓った。(阪井 日向)

 ◆岩本 貴裕(いわもと・たかひろ)1986年(昭61)4月18日生まれ、広島県出身の34歳。広島商では3年夏の甲子園出場。高校通算52本塁打。亜大ではリーグ通算16本塁打。08年のドラフト1位で広島入団。12年に32試合で4番を務め5本塁打。19年の現役引退後は広島でスコアラー(情報課主任)を務める。通算成績は405試合で打率・253、31本塁打、131打点、1盗塁。左投げ左打ち。

 ○…この日の佐藤輝は広島戦の中止を受けて宜野座に戻った後、室内でティー打撃や特守をこなし、ブルペン内では打席に立って斎藤の球を目慣らしするなど精力的に汗を流した。「(16日の楽天戦に向けて)しっかり振っていってアジャストできるように」。父方の祖父母が宮城県内に在住しており、13日夜に東北地方で起こった地震の影響を心配して「朝起きてメールして『大丈夫だよ』と返ってきた」。常日頃からメールで応援してくれる祖父母の無事に、一安心した様子だった。

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