栗林の剛球がベールを脱いだ 広島ドラ1がフリー打撃登板 直球勝負で誠也、クロンねじ伏せた

[ 2021年2月10日 05:30 ]

フリー打撃に登板した広島・栗林(撮影・奥 調)
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 広島のドラフト1位・栗林良吏投手(24=トヨタ自動車)が春季キャンプ第2クール最終日の9日、フリー打撃に初登板して威力十分の剛球を披露した。鈴木誠、クロンら主力4人を相手に全球直球で19スイング中ファウル11本と押し込んだ。いまだ調整段階ながら、強打者にも通用する直球の切れを見せた。

 捉えたはずの主力の打球が、ことごとく前に飛ばなかった。栗林が務めた打撃投手の相手は、鈴木誠、クロン、長野、田中広の4人。全球直球と打者有利の状況で19スイングで安打性3本、ファウル11本と押し込んだ。

 「打者に投げるのは初めてだったので、打者の反応とか、どれくらい通用するのかを意識して投げました。最初の15球くらいまでは、ある程度自分の思い通りに投げられて、ファウルも取れたので良かったかなと思います」

 最速は146キロを計測した。直前に同じ打者4人と対戦した森下は、27スイングでファウル11球。森下は最速145キロと同程度の球速ながら、栗林のファウルの割合が上回ったのは、直球に切れがあった証と言える。打席に立った田中広からは「しっかり腕も振れている。キレイな縦のいい角度の回転。本人もそんなに力を入れて投げていないと思うけど、いい球は来ていた」と評価された。

 まだ全開ではない。30球中ボールが11球を数えた。ここから、直球の強さとともに制球力を高めていく段階に入る。「練習からしっかりやっていけば、打撃投手でも試合でも(ストライクを)取りたいときに取れると思う。そこが課題になる」。あす11日の第3クールからシート打撃などの実戦登板に移る予定で、仕上がりはもう一段階上がりそうだ。

 「実戦が本格的に始まる。(ドラフト)1位で獲ってもらったからには、1位の役割をしないといけない。ここからしっかりアピールして(キャンプを)1軍のまま完走できるようにしたいです」

 先発入りを期待する佐々岡監督からは「まだ100(%)ではない中でしっかりとした球を投げていた。焦る気持ちを抑えながらここまでやってきた。順調に来ている」と上々の評価を与えられた。変化球を投げずとも、十分に期待を抱かせるだけの剛球だった。(河合 洋介) 

 <他球団スカウトの反応>

 ▼阪神御子柴スコアラー いいものを見せてもらった。あれだけの直球があれば、他の変化球も生きる。森下くんと遜色のない球を投げていた。

 ▼中日岩田スコアラー 直球はずっといい。強くて低い真っすぐ。変化球を投げて走者を背負ってどうなるか。先発でも後ろでもいけそうな感じですね。

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