日本ハム・大田「守備にコンプレックス」も…巨人2軍で30失策からのゴールデン・グラブ賞

[ 2020年12月19日 05:30 ]

三井ゴールデングラブ賞表彰式

ゴールデングラブトロフィーを受け取る大田(撮影・篠原岳夫)
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 守備のベストナインに贈られる「第49回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が18日、都内のホテルで行われ、記者投票で選ばれた19選手のうち、代表の5選手が参加。トロフィーと副賞の賞金50万円が贈呈された。チームの連続受賞が28年に伸びた日本ハムからは3選手が選ばれ、大田泰示外野手(30)は苦節12年目で初受賞。来季に向け、さらなる飛躍を誓った。

 大田は「守備にはコンプレックスがある」とまで言った。内野手で巨人に入団し3年目のオフに「素人で一からスタートした」という外野手。16年オフのトレード移籍も経て苦節12年目での悲願成就だ。壇上では感慨深げに黄金に輝くグラブ形のトロフィーを見つめた。

 「まさか自分が守備で賞を頂けるとは。本当に守備が下手で、毎日毎日怒られ、試合でもたくさんひどいプレーをしてきた。ようやくプロ野球選手としての証を一つ残せた」

 巨人1年目。イースタン・リーグで三塁(14個)と遊撃(16個)で計30個の失策を犯した。外野手転向後も「よく飛球を落とした」と苦笑いする。そんな大田だが、野球少年・少女への助言を求められると「無駄な努力はない。今やっている努力が2年後、3年後につながってくることもある。全ての努力は全て自分に返ってくる。くじけそうになった時にはちょっと思い返してほしい」と熱く語り掛けた。

 誇れる点には補殺を挙げた。補殺数はリーグ2位の7。これは矢野外野守備コーチ(来季から2軍打撃コーチ)と徹底して取り組んできた成果だ。「強い球を投げようとするとブレるから、80%くらいの力でコントロールして投げられればいい。その結果、ワンバウンドのストライクを投げられるようになった」と指導に感謝した。

 4年連続受賞の中堅・西川がメジャー移籍を目指しており、中堅コンバートも視野に入れる。北の大地で出場機会をつかみ、才能が開花した男は「来季は賞に恥じないプレーをしたい」と新たな誓いを立てた。(東尾 洋樹)

 ≪12年目で初受賞≫大田(日)は12年目で初の受賞となった。初受賞が入団12年目以上の外野手は18年の平田(中=13年目)以来。日本ハムでは06年の稲葉篤紀(12年目)に並ぶ遅咲き記録となった。ちなみに全ポジションでのスロー受賞は73年パ捕手の野村克也(南海=20年目)、昨年パ一塁手の内川(ソ=19年目)がある。

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