V7へ女子野女子日本代表選考合宿始まる レジェンド里綾実は貫禄の1回ピシャリ プロ構想外通告を越えて

[ 2020年12月19日 21:47 ]

女子代表選考合宿・1回を3者凡退に抑えた里
Photo By スポニチ

 来年3月のメキシコW杯で7連覇を目指す女子日本代表の選考合宿が19日、スタートした。感染症予防のため場所は非公表で行われプロ・アマから選ばれた43人が参加した。

 今年11月に就任した中島梨紗監督は「みんなから愛されるチームになれば7連覇につながる」と力を込めた。

 これまではトライアウトを通過したメンバーにプロの候補選手を加えて、代表選考が行われてきた。しかし、今年はコロナ禍により1発選考。中島監督らが全国を視察して候補選手を招集した。

 W杯で3大会連続MVPに選出され、代表をけん引してきた大エース・里綾実投手(30)も参加。紅白戦では貫禄の投球で1回を三者凡退に抑えた。「常に見られている環境で自分の力を出し切らなきゃいけないので、緊張しますね。しっかり準備してできたと思う。(代表は)毎回違うので新鮮な気持ちで毎回来ている。緊張しかしません」と笑った。

 昨年は苦境に見舞われた。7年間プレーしていた女子プロ野球の体制改革で構想外通告を受けた。プレーの場を失い、強化資金を募るクラウドファンディングも呼びかけた。埼玉西武ライオンズ・レディースで競技続行が決まったが、コロナ禍で本格的な活動開始は今年6月から。「トレーニングや投げることはできたが、試合勘(を養うの)は難しかった。普通の練習で対戦するのと、試合の緊張感とか1点もやれない状況で投げるのは、やはり全然違いますから」と振り返る。

 今合宿のミーティングでは「結果だけでなく女子野球を世の中の当たり前にするのが代表(の役割)」と話があったという。女子野球の普及や選手の地位向上を訴えてきた里は「お手本になるような選手になりたい。代表に選ばれて憧れを持ってもらえたら」と力をみなぎらせる。

 初日は若手選手とキャッチボールしながらアドバイスを送ったり、常に周りを見渡して積極的に声をかける里の姿があった。誰が言わずとも自らの知識を伝授していく。女子代表に綿々と受け継がれている伝統だ。

 W杯自体もコロナの影響で3月に延期された。未だ不安はぬぐえないが、里の情熱は日本代表の希望の光とも言える。

続きを表示

2020年12月19日のニュース