日本ハム・原田2軍総合コーチが2軍監督就任へ プロ経験なしは有本氏以来26年ぶり

[ 2020年11月30日 05:31 ]

フェニックス・リーグを視察に訪れた栗山監督(右)と会話する日本ハム・原田2軍総合コーチ
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 日本ハムの来季2軍監督に原田豊2軍総合コーチ(61)が就任することが29日、分かった。東海大では巨人・原辰徳監督(62)と同期で社会人の協和発酵の監督などを歴任し、プロ経験がないままスカウトを経て19年から現職。プロ経験なしで2軍監督を務めるのは本紙のプロ野球記者から転身してダイエー(現ソフトバンク)で2軍監督を務めた有本義明氏(89)以来26年ぶりとなる。

 前例にとらわれない日本ハムらしい人事と言える。プロ経験がないまま日本ハムでスカウトやコーチを務めている原田2軍総合コーチが、来季から2軍監督として「スカウティングと育成」を球団理念とするチームの「育成」部門を再建する。

 今季チームは04年の北海道移転後では球団史上初の2年連続Bクラスとなる5位に低迷。このまま低迷を続けるか、再び上昇するかの分水嶺で栗山監督も「ファームの在り方は本当に重要。スカウティングと育成はリンクするものだけど、そこに関して手を入れないといけないところもある」と危機感を強め、来季2軍スタッフの陣容について球団と慎重に検討を重ねてきた。

 発展途上の若手と向き合う2軍監督は技術指導はもちろん、人間的な教育精神も必要だ。原田コーチはプロ経験こそないが、東海大時代は巨人・原監督と三遊間を組み、社会人の協和発酵ではのちに「炎のストッパー」と呼ばれた故津田恒実さん(広島)とともにプレー。スカウトとして数々の人材を見極めてきた眼力も持ち合わせる。今季までの2年間は総合コーチとして選手に寄り添った指導を実践。2軍の現状も把握しており、まさに2軍監督としてうってつけの存在だ。

 今季は高卒2年目の野村が開幕スタメンを勝ち取るなど台頭したが、主力の座を脅かすまでには至らず、今季低迷の要因に若手の突き上げのなさを指摘する声も多い。すでに木田1軍投手コーチの2軍総合兼投手コーチへの配置転換も内定している。目指すのは「2軍改革」によるチームの底上げ。新指揮官への期待は大きい。

 ◆原田 豊(はらだ・ゆたか)1958年(昭33)12月18日生まれ、山口県柳井市出身の61歳。柳井高―東海大を経て社会人野球・協和発酵で89年まで選手としてプレーし、90年から同社監督に就任。12年から1年間、柳井高の監督を務め、14年から日本ハムの九州地区担当スカウトに就任。19年から今季までは2軍総合コーチ。1メートル70、78キロ。

 ≪有本氏は記者から転身≫プロ野球経験がなく2軍監督に就任するのはダイエーで93年から95年まで務めた有本義明氏以来26年ぶり。有本氏はスポーツニッポンのプロ野球記者からの転身で、当時1軍監督だった根本陸夫監督から要請を受け指揮を執った。それ以前では日大三監督―スポーツ紙記者を経てサンケイ、ヤクルトで2軍監督を務めた田口周氏の例がある。

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