メモリアル3発でソフトB10連勝 甲斐9番で67年ぶり、グラ最速タイ5号、デスパ球団初満弾

[ 2020年11月23日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第2戦   ソフトバンク13-2巨人 ( 2020年11月22日    京セラD )

<巨・ソ>7回1死満塁、右越え満塁弾を放ち、左翼スタンドに向かってポーズをとるデスパイネ(中央右)(撮影・木村 揚輔)
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 ソフトバンクは巨人投手陣に日本シリーズでメモリアルな3発を浴びせた。2回は甲斐拓也捕手(28)が9番では球団67年ぶりの一発となるソロ本塁打を放つと、3回はジュリスベル・グラシアル外野手(35)が最速タイの11試合目で5号到達となる2ラン。7回はアルフレド・デスパイネ外野手(34)が球団初の満塁弾を放った。

 強い。強すぎる。ただ、その裏には周到な準備がある。日本シリーズ初先発だった巨人・今村に対し、ソフトバンク打線は初回から襲いかかった。

 1巡目はファウルを打った打者は松田宣が追い込まれてから放った1度だけ。ミスショットすることなく、左腕に4安打を浴びせ、2回途中で降板させた。4安打の球種の内訳は直球、シュート、スライダー、フォーク。各自が狙いを定めた。

 主導権を握ってからは日本シリーズでのメモリアルな3発が飛び出した。まずは2回1死で甲斐が中堅へ。日本シリーズ1号に「しっかり芯で打つことができた」と胸を張った。9番の一発は球団で67年ぶり。工藤監督は「打つ方よりも守りを重視してやってくれれば」と甲斐について話していた。18年の広島との日本シリーズでは6度、盗塁を阻止しMVPを受賞。今年も扇の要として投手陣をけん引する役目を託した。そんな中で甲斐は「打撃でも貢献できるように」と練習にも力を入れ、大舞台での一発につなげた。

 記念弾はその後も続く。3回無死一塁ではグラシアルが左中間に弾丸2ラン。同シリーズでは3年連続弾で11試合目での5発は、最速記録に並んだ。昨年のMVP男は「久しぶりにいい当たりのホームランだった」と会心の一発を喜んだ。

 トドメは7回。1死満塁でデスパイネが右中間へ球団史上初の満塁弾を叩き込んだ。5回の右犠飛など計6打点はシリーズ記録。「素直にうれしい。ラストスパートなので全てを懸けている」と語った。シリーズ通算19打点は、あの野村克也を抜く球団記録だ。

 13得点は03年の阪神との第2戦以来の最多記録。ポストシーズン14連勝で、ついに日本シリーズ10連勝に到達した。それでも工藤監督は「うちは常に切り替えてやってきた。3戦目に集中してやっていく」と気を引き締める。会心の笑顔は4つの白星を挙げてからだ。(川島 毅洋)

 ○…9番の甲斐(ソ)がシリーズ初本塁打。日本シリーズで9番打者の本塁打は18年ソフトバンク第3戦で安部(広)が2本打って以来13人で15本目。チームでは南海時代の53年巨人第7戦で木塚忠助が打って以来67年ぶり2人目となった。なお、木塚の本塁打は9番打者のシリーズ初本塁打だった。

 ○…グラシアル(ソ)がシリーズ出場11試合目で通算5本目の本塁打。日本シリーズで通算5本塁打以上は29本の王貞治(巨)を筆頭に史上27人目。うち11試合目での5号到達は83年西武第5戦の原辰徳(巨)、00年巨人第6戦の城島健司(ダイエー=現ソフトバンク)、04年中日第7戦のカブレラ(西)に並ぶ最速記録になった。

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