大院大高・和田 笑顔絶やさぬ元気印、好リードと3安打でチームけん引

[ 2020年8月8日 21:24 ]

令和2年大阪府高等学校野球大会5回戦   大院大高11―6天王寺 ( 2020年8月8日    くら寿司スタジアム堺 )

<大院大高・天王寺>大院大高の元気印・和田一輝
Photo By スポニチ

 照れたように笑って頭をかいたのは大院大高の元気印・和田一輝捕手(3年)だった。

 「昔からうるさいって言われるんです」

 守備交代時、マウンドの投手に声をかける際、マスクを外すといつでもまぶしい笑顔がのぞく。「6番捕手」で先発し、4安打3打点。9―5の6回には勝利を決定付ける2点二塁打を放ち、存在感に加え、バットでも力強くチームをけん引した。

 「僕はここまで(調子が)良くなかったので。投手が頑張っていたから助けてあげたかった」

 笑顔の裏には忘れられない屈辱がある。2018年には北大阪大会決勝まで進んだ実力校が、昨秋の大阪大会では初戦敗退。うまく気持ちを制御できず、不調時の沈みを隠せないことがあった自分を変えるきっかけが「笑顔」だった。

 「秋は不調で、それにチームも巻き込んで負けた。悔しかった。あれからピンチでも笑顔を絶やさないよう常に意識しています」

 司令塔発の活気はチーム内にも伝播し、先発全員安打で大量11得点。初戦から5試合連続の2桁得点で準々決勝へ弾みをつけた。

 負けられない理由がある。尽誠学園を率いて5度の甲子園出場を果たし07年に就任した椎江博監督が指揮を執るのは今夏が最後。

 「監督は“俺のことはいいから、お前たちが納得できる夏にしよう”と言うけど、みんな頭にあるのは監督のこと。自分たちの野球をすれば監督も喜んでくれると思う」

 夏の甲子園大会の中止が決まった際も、先頭に立ってチームを引っ張ってくれた恩師と、1日でも長く野球がしたい。この先に甲子園はないが、監督のために、自分たちのために、最後の夏を完全燃焼する。 

続きを表示

2020年8月8日のニュース