王さん 早実時代の恩師訃報に「野球人生で一番の強烈な思い出は甲子園優勝」

[ 2020年8月8日 05:30 ]

弔問を終えたソフトバンク・王会長(撮影・吉田 剛)
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 早実、中大の野球部監督としてアマ球界に数々の功績を残した宮井勝成(みやい・かつなり)氏が7日午前2時23分、肺がんのため東京都三鷹市の病院で死去した。94歳。東京都出身。葬儀・告別式は後日、近親者のみで行う予定。早実監督時代に王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)を育て、同氏がエースだった57年センバツで優勝。59年から監督を務めた中大でも多くの選手を輩出し、全日本大学選手権に3度優勝した。

 恩師の突然の訃報を受け、王貞治氏は滞在していた福岡から空路で上京した。午後5時ごろに都内の宮井氏の自宅に到着。約1時間の弔問を終えると、静かに切り出した。

 「眠っているような安らかな顔でした。元気な声が聞こえないのは残念だけど…。今後の野球界のこと、いろいろ思いはあるでしょうが、我々が頑張らないといけないね」

 57年センバツ。宮井監督率いる早実のエースとして優勝した。高知商との決勝ではマメをつぶし、血染めのボールで力投。紫紺の大旗が初めて箱根の山を越えた。「私の野球人生で一番の強烈な思い出は甲子園での春の大会の優勝。宮井さんには公私ともその後のプロ生活でもご指導いただき、大変お世話になった」。野球人としての基礎を築いてくれたのが宮井氏だった。

 今年1月に開かれた57年優勝メンバーを中心とした「紫紺会」の新年会にも元気な姿を見せていた宮井氏。「94歳ということで大往生ですが、できればもう少し元気でいて欲しかったです」。王氏にとって恩師との思い出は尽きなかった。

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