ロッテ・益田 史上5人目通算通算100セーブ&100ホールド 緊急登板で「まさか」の達成

[ 2020年8月8日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ0―3オリックス ( 2020年8月7日    京セラD )

<オ・ロ>100セーブを挙げた益田は記念ボードを掲げる(撮影・井垣 忠夫)
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 ロッテの益田直也投手(30)が7日、オリックス戦で今季12セーブ目を挙げ、プロ野球史上5人目となる通算100セーブ&100ホールドを達成。2011年ドラフト4位での入団から地道に努力を続け、節目のセーブを積み上げた。守護神右腕の好投で、チームは貯金1で3位をキープ。再び上位戦線への浮上を目指す。

 快挙の瞬間、益田は首を振った。笑みはない。浮かべたのは守護神として責任を果たした安どだった。

 「まさか100セーブがこんなピンチで回ってくるとは…。ドキドキさせて申し訳なかったが、勝って終わることだけを考えた」
 6―1の9回無死満塁で出番が来た。福田に押し出し四球、吉田正には右前打を浴びた。一瞬にして3点差。それでも冷静だった。伏見を投ゴロ併殺、メジャー通算282本塁打のジョーンズにも「長打だけ防げばいい」と最後は147キロ直球で二ゴロに斬った。
 12年8月5日にプロ初セーブを飾った京セラドームで節目に到達。常に「本当は先発をやりたいが、自分はできない。中継ぎでもチームのためになれるように」という思いを抱く。通算142ホールドでダブルの大台はプロ野球史上5人目。言葉にはリリーバーとしての誇りがにじむ。

 未来は何が起こるか分からない。市和歌山時代は控えの遊撃手。母子家庭ながら進学させてもらった関西国際大で投手に転向した。11年のドラフト4位で入団。1位に藤岡貴裕(現巨人)、2位に中後悠平がいた。大学日本代表にも選ばれた両左腕が注目だったが、1年目の春季キャンプから、首脳陣に「プチトルネードで投げる球が凄い」と評価された。「丈夫に生んでくれたお母さんのおかげ」と大きな故障もなく9年目も戦うタフさが最大の武器。昨オフにはFA権を行使せずに残留し、生え抜きとして選手会長も務める。

 05、10年は日本一に輝いたがプレーオフ、CSを勝ち抜いての逆転劇。シーズン1位となれば74年以来となる。「パ・リーグはだんご。自分たちにもチャンスがある」。貯金1で、首位ソフトバンクに2ゲーム差。「9回に投げることは、みんなから頼むと思われている。同じ1イニングでも重みが違う」。仲間の魂を背負い、雑草右腕は9回のマウンドに立ち続ける。(横市 勇)

 ◆益田 直也(ますだ・なおや)1989年(平元)10月25日生まれ、和歌山県出身の30歳。小2から野球を始める。貴志川中では軟式野球部に所属。市和歌山では主に内野手。2学年先輩にヤクルト・川端がいた。3年夏は和歌山大会4強。関西国際大へ進み投手に転向した。11年ドラフト4位でロッテ入り。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。血液型B。

 ≪上原は日米で達成≫益田(ロ)が7日のオリックス戦で今季12セーブ目を挙げ通算100セーブを達成した。プロ野球33人目で、ロッテでは小林雅英(227セーブ)に次ぎ2人目。初セーブは12年8月5日のオリックス戦。なお、益田はホールドも142を記録。国内で通算100セーブと通算100ホールドの両方を達成したのは史上5人目。ロッテでは初の快挙になった。なお、日米通算では上原浩治(巨人など)が134勝128セーブ104ホールドを挙げている。

 ▼ロッテ・井上(2回に左翼席に3年連続2桁となる10号ソロ)投手を援護したいと思っていたので先制点を取れてよかった。ごっちゃし!決まり手は左下手投げです。

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