広島・堂林 リーグ打率トップを堅持 意地の適時打含む2安打 菅野を5回で降ろした粘りも次へつながる

[ 2020年7月15日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-7巨人 ( 2020年7月14日    マツダスタジアム )

<広・巨(4)>6回2死一塁、堂林はタイムリー二塁打を放つ(撮影・森沢裕)
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 広島は14日、今季初のマツダスタジアムでの有観客試合となった巨人戦を2―7と白星で飾ることはできなかった。打線は菅野から無得点ながらも、109球を投げさせる粘りで5回降板に追い込み、リリーフ陣から堂林翔太内野手(28)の適時打、アレハンドロ・メヒア内野手(27)の2号ソロが生まれた。2得点に終わったものの観衆4987人を沸かせる意地は見せた。

 胸躍らせ来場したコイ党も歓声ばかりとはいかなかった。6回表終了時点で7点差。ため息は、ナインにも届いていただろう。マツダスタジアムでの有観客試合の初戦に、佐々岡監督は「やはり声援は選手の力になる。雰囲気も違った」と白星を見せられなかったことを悔いた。

 それでも、コイ党を傷心のまま帰らせたわけではない。チーム初得点で沸かせたのは堂林だった。「投手が(菅野から)代わったので切り替えて打席に立った」。7点劣勢の6回2死一塁、沢村の初球の153キロ直球を左中間にはじき返す適時二塁打とし、一番の声援を浴びた。

 「(歓声は)ありがたい。一つでも多くいいプレーをしたいという気持ちになった」

 計2安打で打率・419とし、リーグトップを維持。指揮官も「本人もレギュラーを取るという気持ちでやっている。自信にしてほしい」とうなずいた。

 7回先頭では、代打・メヒアが代わったばかりの鍵谷の初球である直球を右翼席に運ぶ2号ソロとした。6月26日の中日戦以来となる一発。「まずは塁に出ようと意識した。大振りにならずにいいポイントで捉えることができた」。堂林の三塁定着で先発機会が減少する中、代打で結果を残した意味は大きい。

 勝利に直結しなかった2得点も、決して捨てたものではない。先発・菅野は、4安打無失点の好投ながら、球数109球と膨れ上がって5回降板に追い込んだ。打者21人が計25球のファウルを数えたのは、“菅野対策”として粘りの意識が徹底されていた証拠である。狙い通り、6回から巨人の弱点である継投策に持ち込み、4投手を投入させて6安打2得点を奪った。

 昨季、菅野と4試合対戦し、5回以内に降板させたことは一度もなかった。指揮官は、「(菅野は)前回登板より調子は良くないと思った。チャンスはあると思ったけど…」と悔しそうな表情を浮かべた。菅野撃ちは次回に持ち越したとはいえ、救援陣攻略で、15日以降につなげる黒星としたい。(河合 洋介)

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