ヤクルト・奥川 153キロ!シート打撃初登板で1安打

[ 2020年6月13日 05:30 ]

シート打撃で11人を相手に1安打投球をみせた奥川(球団提供)
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 眼光はさらに鋭さを増した。右腕にも自然と力が宿る。ヤクルト・奥川の視線の先には、15年の首位打者&最多安打のタイトルホルダーである川端がいた。全力で腕を振った。

 「今日のシートはゲームを意識して、投げようと思っていた。この時期にそれだけスピードが出てくれることは、とてもいいこと」

 自己最速にあと1キロまで迫るプロ最速153キロ直球で、二ゴロに打ち取った。戸田球場で行われたプロ初となる実戦形式のシート打撃。打者11人に計34球を投じ、被安打1、4三振を奪った。最後の打席でも140キロフォークで空振り三振に斬るなど3打数無安打に封じられた川端は「高卒1年目の投手の球ではない」と脱帽した。

 5月31日に打撃投手を務めて以来、2度目の打者との対戦。「感覚は良くなっている」。打撃投手時の変化球はスライダーとフォークだけだったが、この日は新球のツーシームやカーブも試投し「試合で投げられるようなボールにしていきたい」と思い描く。実戦に備え、2巡目は全てクイックで投球した。

 同期のロッテ・佐々木朗は5月26日の打撃投手時に160キロを計測したが、実戦デビューはもう少し先となる。一方の奥川は次回、2軍での実戦登板が見込まれる。佐々木朗とは最近も連絡を取り合う関係で「投げ合いたい気持ちもある。投げ合った時は勝ちたい」と穏やかに笑う。寮の自室では他投手の投球動画に見入り、栄養学の本にも目を通すなど全てを野球にささげる。

 「1軍のマウンドで勝ちたい思いが強い。その目標をなんとか1年目に達成できるように」と奥川。目標へ向かい、まずは2軍の実戦マウンドに立つ。 (川手 達矢)

 ▼ヤクルト池山2軍監督(小川淳司GM、伊東昭光編成部長らと視察)ボールの切れ、一段と磨きがかかってきた。表情もだんだん、気合も実戦に向いてきている。(実戦は)今月中だと思います。

 ▼ヤクルト高津監督(2軍から)非常にいい状態ですという報告があった。いい準備ができているのじゃないかなと思う。

 ○…奥川は「2020年甲子園高校野球交流試合(仮称)」の開催について喜んだ。夏の甲子園中止決定後に後輩数人と連絡を取り「後輩たちも凄く残念がって、とてもつらい思いをしたと思う」と心境を吐露。「甲子園の舞台で試合をできるということが自分もうれしい。甲子園で自分自身が成長できたんじゃないかなと思っているので、その甲子園を一生懸命楽しんで、戦ってもらいたいと思います」と語った。

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