阪神・原口 大腸がん克服し実戦復帰から丸1年 帝京魂でコロナも乗り越える

[ 2020年5月9日 05:30 ]

甲子園で自主練習を行う原口(阪神タイガース提供)
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 昨年1月に大腸がん手術を受け、実戦復帰を果たしてから丸1年が経過した阪神・原口文仁捕手(28)が8日、甲子園での自主練習開始前にオンライン取材に応えた。大病に打ち勝ち、感動の実戦復帰を果たしてからちょうど1年。原口にとっては、激動の19年も、すでに遠い過去の出来事だった。

 「自分の感覚ではすごい昔のことのように感じる。一年というのを聞くと、まだ一年しかたっていないんだなという思いです」

 19年5月8日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)。8回1死無走者の場面で代打で登場すると右中間最深部に大きな飛球を放った。結果は右飛だったが「すごく緊張して打席に向かったのは、鮮明に覚えています」と当時の記憶が薄れることはない。

 今、日本はもとより世界の多くの国がコロナ禍にあえいでいる。昨季も復活後にサヨナラ打や球宴での本塁打など、ファンに多くの感動を与えてきた原口なら、また困難を乗り越えて再びグラウンドで躍動し、勇気や感動を与えてくれるに違いない。今はそのための準備の時期。この日も甲子園球場でフリー打撃や投球練習を行った守屋の捕手役を務めた。

 「開幕の日が決まるまで、やることは一緒だと思っている。今まで通り、レベルアップできるように取り組んでいきたい」

 心強い援軍も加わった。今月3日には「リアル野球盤」で自身が出演したテレビ番組「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」を友人らとオンラインで視聴中に、帝京野球部の先輩で番組で共演した「とんねるず」の石橋貴明から連絡をもらったという。「気さくに連絡をくれるのもありがたいですし、そういう思いに野球の結果で応えたい」と、改めて活躍を誓った。

 また、新型コロナウイルス感染拡大で休校となり活動休止を余儀なくされた帝京の後輩たちには、前向きな言葉で、いいイメージを持つことの大切さを説いた。

 「チームの活動が再開した時に、いい体の状態だったり、プレーができるように。一番は自分たちが勝った時の喜びをイメージしながら自主練習を頑張ってほしいと思います」

 原口自身も超満員の甲子園で活躍するイメージを膨らませる日々。先輩、後輩に通じる「帝京魂」で、この困難を乗り越える。(長谷川 凡記)

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2020年5月9日のニュース