阪神・福留、決意の甲子園帰還 ナイン代表し謝罪「本当に皆さんに申し訳なかった」

[ 2020年4月16日 05:30 ]

甲子園で自主練習を再開した阪神・福留(阪神タイガース提供)
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 阪神は15日、甲子園、鳴尾浜の両球場施設での自主練習を開始した。藤浪ら3選手がPCR検査を受けた3月26日の午後に活動停止となって以来の施設開放。午前練習に参加した福留孝介外野手(42)はオンライン取材の第一声でチームから感染者を出したことを謝罪した上で笑顔で開幕できる日を信じ、後輩選手やファンに我慢を呼びかけた。

 チーム活動が止まった先月26日以降、初めて選手として取材の場に現れたのは福留だった。チーム、そして、球界の最年長として現状の厳しさを痛感。オンライン会議用アプリを使った会見で、まずはナインを代表して謝罪した。

 「今回、NPBの関係者はじめ、中日ドラゴンズ、阪神の職員の方々に本当に多大なご迷惑をおかけした。同じユニホームを着てプレーしている選手として、本当にみなさんに申し訳なかったというのを、まず一番最初に言わせてください」

 先月26日に藤浪、伊藤隼、長坂の新型コロナウイルス感染が判明。プロ野球選手の初感染は、球界全体に多大な影響を与えた。伊藤隼が2軍戦で対戦した中日は、接触があった選手を一時隔離。チームリーダーとして重く責任を受け止めた。

 約3週間ぶりに開放された甲子園では午前と午後、投手と野手の4班に分けられた中で午前9時から上本、糸原、陽川らと練習。不要な会話をせず十分に距離を保ちながら、自宅ではできなかったノックや室内マシン打撃もこなし、約2時間半にわたって汗を流した。

 「久しぶりに施設を使わせていただき、体を動かすことができたのは良かった。必ず距離を取って、みんなが密にならないことを心掛けながらやらせていただいた」

 活動停止中は自宅でできる限りの運動をし、ほぼ外出せずに細心の注意を払った。家族で買い物に出かけても自身は店に入らず車中で待機。DVDで過去のプレー映像をチェックする一方で、映画鑑賞などで気持ちのオンとオフを付けた。

 開幕は不透明でウイルスの猛威は続く。ただ、百戦錬磨は明けない夜がないことも知っている。「今は選手もファンのみなさんも我慢をする時。その先にみんなが笑顔でプレーできる、ファンの方々が笑顔で球場に足を運んで安心して野球を観られる、そういう時が来ると思う。そういう楽しみを持っていただいて、今はお互いに頑張っていきましょう」。後輩やファンに心から呼びかけ、再始動の初日を終えた。(山添 晴治)

 ○…球団施設に報道陣は立ち入りできず、会見にはオンライン会議用のアプリ「Zoom」が使われた。午前の福留、午後の大山ともにテレビ局、新聞、通信社を合わせて約40人が参加。各自が会社や自宅のパソコン、携帯端末からアクセスし、アプリの「挙手機能」を使って質問する形が取られた。長いキャリアでも初体験の福留は「本当に不思議ですし、答えにくいというか慣れないのはありますけど、今の状況を考えたら仕方ないのかなと思います」と理解を示した。

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