ヤンキース・田中が天の邪鬼の「無職発言」で渡米

[ 2020年2月7日 16:53 ]

記者の質問に答えるヤンキースの田中将大(撮影・木村 揚輔)
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 ヤンキース・田中将大投手(31)が7日、羽田空港からニューヨークへ出発。日本時間14日のバッテリー組のキャンプインに向けてフロリダ州タンパ入りする予定だ。

 早朝の羽田空港。出国前に田中は約15分、取材に対応した。「1年間しっかりチームのために働いて、ワールドシリーズ制覇を目標にしっかりやっていきたいと思います」。今季は7年契約の最終年。「僕も当時は(7年契約は長いと)思いました。7年先、自分がどうなっているか分からなかった。想像もできなかった。30歳を越えたときにどうなっているんだろうと漠然と思っていた」。そう、14年の入団当初の気持ちを振り返ったが、6年連続2桁勝利を挙げるなどメジャーで75勝43敗、防御率3・75をマークした。

 田中のプロ入り以来続く試合に勝つことへの執念はメジャーでも数字に表れている。メジャー6年での田中の勝率は・636。14年以降100試合以上に先発した投手の中でみてもメジャー8位の好成績となる。ちなみに同期間ではバーランダー(アストロズ)が勝率・629で11位、アリエッタ(フィリーズ)が同・631で10位とサイ・ヤング投手をもしのぐ「負けない男」ぶりだ。

 新たなシーズンへの渡米にあたり契約に対する質問が相次いだが、本人はまずシーズンをまっとうする気持ちだけ。「最終年の活躍は他のFA選手を見ていれば大事なのはわかるけど、バタバタしてもしょうがない。評価するのは他人。最後になるかもしれないというのは多少なりともあるけど、やることは変わらない。こういう質問がなければ、こういうことも口にはしたくない」。きちんと質問に答えつつも、シーズンに集中する覚悟をにじませた。

 そして15分の最後。「帰ってくるときは無所属の可能性もあるね」と水を向けると「それはありますよ。無所属じゃない、無職。無職です」と冗談めかしたが、こういう時の田中は「天の邪鬼(あまのじゃく)」。言葉とはうらはらの「田中が必要だと思わせてやる」という熱い炎を心に宿して、20年シーズンへ出発した。

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2020年2月7日のニュース