巨人・原監督 国際武道歳で16度目の特別講義 今年も金言「一人一人が監督になれ」

[ 2020年1月8日 05:30 ]

国際武道大で講義を行ない、花束を渡され笑顔の原監督(撮影・長久保 豊)
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 巨人・原辰徳監督(61)が7日、客員教授を務める千葉県勝浦市の国際武道大で16年連続の特別講義を行った。約1時間の中で、自軍の選手一人一人が「監督」になることを求めた。指示待ちの姿勢にならず、自己アピールにも偏らないよう、広い視野でけん引するリーダー意識を期待。リーグ2連覇へ向け、昨年掲げた「伸び伸び野球」に「厳しさ」を加えることも宣言した。

 学生であればクラス全員が学級委員長。会社員なら全員が社長。原監督は具体的な比喩を用い、各自にリーダー意識を求めた。
 「選手に伝えたいのは“一人一人が監督になってくれ”と。視野が広がればリーダー意識も生まれる。強いチームに、監督がたくさんいる方がいい」

 具体名こそ挙げなかったが、現在のリーダー役には主将の坂本、丸、エース菅野らがいる。前主将でチーム最年長だった阿部(現2軍監督)が昨季限りで引退。大学生ら約280人を前に「ジャイアンツにはもう2人、3人、監督という選手をつくらないとダメ」と今季の目標を掲げた。

 試合展開の読める選手への成長。プレーの幅は広がり、技術向上につながる。意見も多方面から上がり「いろいろな人の知恵で、凄い強い組織になる。いろいろな戦力になってくる」と利点を強調した。

 2年連続30本塁打の若き4番・岡本や、小林らが新たなリーダー役の筆頭候補だ。個人的なアピールだけでなく「(岡本)和真は賢い野球選手であるから、自覚というのは出てきてくれると期待しています。小林もそう。(捕手の)柱をつくりたい希望は持っている」と期待値は高い。

 元日に大山阿夫利神社を参拝し、三浦半島、房総半島を一望した。箱根駅伝もテレビ観戦し、2年ぶり総合優勝の青学大を「あっぱれ」と称えた。昨年初優勝した母校・東海大は総合2位で「いい勝負はした。ただ“勝つべくして勝つ”というのが勝負の厳しさ」と痛感したという。

 今季はリーグ2連覇、8年ぶりの日本一奪還に臨む。国際武道大の野球部員に「横っ面をひっぱたかれる前に、ひっぱたくくらいの気持ちで」と、打席での心構えを説いた原監督。昨季を無欲の勝利と表現し、「上級な勝利者というのは、勝つべくして勝つ。選手には伸び伸びハツラツと、それとやや厳しめの言葉も出る」と監督復帰2年目の方針を示した。 (神田 佑)

 【原「教授」過去の講義】カッコ内は講義テーマ

 ☆05年「巨人愛」 愛って聞くと甘ったるい感じに聞こえるかもしれないけど、愛とは理解すること。ジャイアンツというチームを理解することなんです。

 ☆06年「念じる力」 ドラフトで4球団が競合した僕は、巨人に絶対入れると信じて疑わなかった。人間の意思力というものは存在する。

 ☆10年「勝者の理論」 プレッシャーのある場面でこそ潜在能力が発揮される。プレッシャーがある状況を幸せに感じて戦えば、結果が出るかはどうでもいいこと。

 ☆12年「己を知れ」 実績のある選手も気持ちは決して強いものではない。弱い自分が出てきた時には恥じずにそれを理解すれば、強くなるためにはどうすればいいかを考えることができる。

 ☆14年「自分軸」 勝負強さはメンタルでは決まらない。精神的に弱いから負ける、は間違い。下手だから、が正解。

 ☆17年「臨機応変」 勝負事は生きているから決め込んではいけない。勝つために流動的に成長することは、決して恥ずかしいことではない。

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2020年1月8日のニュース