智弁和歌山、春夏連続サヨナラ被弾…史上初の悲劇にエース池田「何が起きたか分からなかった」

[ 2019年8月18日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会11日目 3回戦   智弁和歌山1-4星稜 ( 2019年8月17日    甲子園 )

タイブレークの激闘の末に敗れ、涙の智弁和歌山ナイン(撮影・北條 貴史)
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 振り返って行方を目で追った打球が左中間のフェンスを越えた瞬間、智弁和歌山・池田は立ち尽くし、しばらくして膝から崩れ落ちた。「何が起きたか分からなかった。よく覚えていない」。タイブレークに突入して2イニング目の14回。無死一、二塁からの投前バントを三塁で封殺した直後、福本にサヨナラ弾を浴びた。6回から登板し、13回まで無失点の好救援。無情の幕切れにぼうぜんだった。

 自慢の強力打線が奥川に計23三振を喫した。タイブレークを除けば、二塁から先を踏んだのは得点した6回だけ。対応できていたのは先発で一人だけ三振がなかった3番・西川くらいだ。敵失に乗じた6回2死一、二塁、この試合で初めて流れた“魔曲”ジョックロックにも背中を押されて右前へ同点打を放った。これが唯一の得点になった。

 1番・黒川は延長14回にバントミス(記録は投ゴロ)を犯すなど6打数無安打1三振。東妻も5打数無安打4三振に終わり、攻略の糸口をつかめなかった。黒川は主将として高いレベルのエース像を求め、「池田とは一番ケンカした」という。力投に応えられず涙声で悔やんだ。

 「あいつに助けられたのに自分が助けられなかった。日本一にならなければ、日本一の練習をしたとは言えないと言ってきた。結果が出なかったから、日本一の練習とは言えない」

 5季連続で踏んだ聖地とは志半ばでの別れ。東妻とともにプロ志望を示唆し、「プロで活躍したい」と必死に前を向いた。(北野 将市)

 ○…智弁和歌山がサヨナラ本塁打で敗戦。今春選抜の明石商との準々決勝でも来田のサヨナラ弾で敗れており、春夏連続でサヨナラ負けは1951年長崎西、87年八戸工大一、98年明徳義塾、99年長崎日大、2018年近江に続いて6校目。春夏連続でサヨナラ被弾は初めて。

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2019年8月18日のニュース