八戸学院光星、サヨナラで8強 下山「持ってる」9回満塁劇打

[ 2019年8月17日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第10日3回戦   八戸学院光星7―6海星 ( 2019年8月16日    甲子園 )

<八戸学院光星・海星> サヨナラ打の下山(背中)を迎える八戸学院光星ナイン(撮影・後藤 大輝)   
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 「持ってる男」がまた満塁で大仕事だ。6―6の9回1死、八戸学院光星(青森)・下山は内角直球を詰まりながら中前へ。カクテル光線に照らされた歓喜の打球が弾む。初戦・誉戦での「令和1号満塁弾」に続き、高校野球人生初のサヨナラ打だ。

 「甲子園で満塁が2度回ってきて…。今大会、自分は持っているんですかね。幸せ者です」

 初球をファウルすると背番号17の川上を通じ、仲井宗基監督の伝令が届いた。「硬くなってるぞ!おまえが主役なんだから笑っていけ」。スタメン唯一の青森出身者からフッと肩の力が抜けた。3球目を振り抜き、県勢では95年の青森山田以来4度目の劇勝を生んだ。メッセージは「主役」への信頼の証。仲井監督は満塁になった時点で「去年の夏の甲子園も経験しているし、必ずやってくれる」と確信していた。

 14安打7得点は、全員が取り組んできた「近距離フリー打撃」の成果だ。通常の18・44メートルではなく15メートルから行い、冬にも木製バットで敢行。芯を外せば手がしびれ、バットが折れた。「差し込まれてもスイングスピードで押し込む。レベルが上がってくる中でできないと、勝てない」。11年夏から3季連続で甲子園準優勝。越えるべき「壁」の認識を共有していた。

 14年以来の8強進出。18日の準々決勝は、中森をこの日温存した明石商と対戦する。昨夏の1回戦は同校に9―8で延長勝利したが、下山は3番手で登板した当時1年生の右腕の球を鮮明に覚えている。「速かった。甘い球は来ないと思う」。東北勢初の日本一へまた一歩近づくため、剛腕を打ち崩す。

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