阪神・糸井 16日大トリ出陣「甲子園でやり返したい。それだけ」

[ 2019年3月15日 09:00 ]

オープン戦初出場を前にして、打撃練習でも笑顔の絶えない糸井(撮影・大森 寛明)
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 大トリ出陣だ。阪神・糸井嘉男外野手(37)が、16日の西武戦(甲子園)で今季初実戦を迎える。矢野燿大監督(50)は「3番・右翼」での起用を明言し、守備にも就く見込み。打線のキーマンである「超人」はこの日、甲子園での全体練習で汗を流し、らしさ全開の意気込みで初陣を心待ちにした。

 高揚感。いや、もっとやわらかい「ワクワク感」がみなぎっていた。初陣を2日後に控えた糸井は、まるで、ヒソヒソ話をするかのような声で意気込みを口にした。「なんとか…。ここまで…。これました…」。直後に白い歯を見せてニヤリと笑った。アクシデントを乗り越え、16日の西武戦でついに「大トリ出陣」だ。

 当初は12日の中日戦でオープン戦初出場を果たす計画だったが、5日のシートノックで外野芝生に足を滑らせて白紙に。「出ろと言われれば出れます」と語るほどの軽症だったが、患部が昨年6月に骨折した右腓骨(ひこつ)と重なったことと、焦る時期ではないことで大事をとった。

 8日から屋外での練習を再開すると、この日の全体練習では一塁から二塁へのダッシュを繰り返し、順調な回復ぶりを披露した。「ちょっと炎症が出てたので、それの確認。“いけるな”と。ちょっと痛みもあったんですけど、だいぶ解消されていた」。快方に向かい、懸念材料は1つもなくなった。

 「がんばります。まあ、シーズンでは就かんけど(笑い)」
 報道陣からは“超人節”で爆笑をかっさらったが、オープン戦初出場から守備位置に就くのはオリックス時代の14年以来5年ぶりとなる。この日は清水ヘッドコーチとマンツーマンでの特守を敢行。自らが志願して実現したメニューだったという。

 「やっぱり去年、相当悔しい思いをしたし、甲子園で相当情けない試合を繰り返したので。新しいメンバーで、監督も変わって、やり返したいと思っている。それだけです」

 昨年は甲子園で18もの借金を負った。2度と、あのような悔しい思いはしたくない。フリー打撃で7本の柵越えを叩き込んだようにすでに打撃は仕上がっている。開幕に向けてやるべきことは、実戦感覚を養うだけだ。

 タテジマに袖を通してからの過去2年を、いずれも「納得していない」と振り返る。「毎年キャリアハイを目指している」と意気込む移籍3年目。38歳シーズンを迎える打のキーマンが、いよいよ出陣する。(巻木 周平)

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2019年3月15日のニュース