札幌大谷 森マネジャー、進撃へ先導 開会式行進でプラカード係

[ 2019年3月15日 05:30 ]

練習中にノックを打つ札幌大谷の森マネジャー
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 第91回選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内で行われる。昨秋の明治神宮大会優勝で快進撃が期待される札幌大谷を支えているのは、森優太マネジャー(2年)だ。開会式の入場行進でプラカード係を務めることが決まり、念願の甲子園の土を踏む。14日は、同市内で出場32校の主将によるキャプテントークが行われた。

 これ以上ないご褒美だ。開会式の入場行進時のプラカード係を託された森は「フィールドの中から見る機会はなかなかない。しっかりと踏みしめたい」と喜びをかみしめた。

 船尾隆広監督(47)からマネジャー転向を打診されたのは昨年5月。札幌大谷シニアの正二塁手として2度全国大会に出場しただけに、選手への未練をなかなか断ち切れなかった。決断したのは昨夏の南北海道大会で初戦敗退した時。「甲子園への思いが強くなり、チームのためにできることを考えたら、一番の選択肢がマネジャーだった」と振り返る。

 新チーム発足と同時に裏方に回り、スマホを手にジャージー姿でグラウンドを動き回り、隅々に目を配る。ティーを上げたり、ノックを打つこともあり、来客の対応や書類仕事もこなす。

 指揮官の信頼は厚い。「周りが見えて、的確な指示を出せる。スタッフが1人増えた感じ。周りの選手も“森のために”と士気が上がった」と高く評価する。森は「選手にも指導者にも属さないパイプ役。監督が求めるものを理解して、理想像に近づけたい」と献身的にチームを支える。

 学校では学業重点のSコースに所属し、将来は経営コンサルタントを目指している。「中学の頃から会社の経営に興味があった。大きな組織をまとめるという意味では将来につながる」とマネジャー業からさまざまなことを学んでいる。23日の開会式では胸を張って、チームを先導する。(石川 加奈子)

 ◆森 優太(もり・ゆうた)2001年(平13)9月1日生まれ、札幌市出身の17歳。札幌北光小3年で野球を始め、札幌大谷シニアでは正二塁手として3年春と夏の全国大会に出場した。弟・寛斗(札幌大谷中2年)は16年ファイターズジュニアの主将。家族は両親と弟。1メートル70、68キロ。右投げ右打ち。

 ≪飯田主将謙虚に抱負≫札幌大谷の飯田柊哉主将(2年)と札幌第一の大平裕人主将(2年)がキャプテントークに参加した。昨秋の明治神宮大会で優勝した飯田主将は、横浜や八戸学院光星の主将から声を掛けられるなど注目度の高さを実感した。司会者からも「当然狙うは優勝ですね」と水を向けられたが即座に否定。「神宮大会は勢いだけで勝った。甲子園は初出場なので初戦突破を目指したい」とブレずに謙虚な姿勢を貫いた。大平主将は星稜の山瀬慎之助主将(2年)にチームとして大切にしているものについて質問するなど、他校との交流を深めた。

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