阪神・北條“首位打者締め” 実戦8試合で打率5割超え

[ 2019年2月27日 05:30 ]

阪神紅白戦   白組5―0紅組 ( 2019年2月26日    宜野座 )

紅白戦の初回1死三塁、北條は西(左)から左前に先制適時打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 貫禄すら漂う。阪神・北條がまた結果と内容で応えた。沖縄で最後の実戦だった紅白戦に白組「3番・遊撃」で出場して1打数1安打2四死球。これで今春の実戦8試合は21打数11安打、打率・524はチーム最高だ。堂々の“首位打者締め”で正遊撃手の座へ前進した。

 「凡打を含めて内容のある打席が多かった。これを続けていくのが難しい。これからも、そういう打席をなるべく多くできるようにやっていきたい」

 初回1死二塁で通算74勝を誇る西から放った快打に技術の高さが凝縮されていた。初球は外角低め、2球目は内角低め、いずれも厳しいコースで追い込まれ、「なんとかファウルにしながら」と思考を切り替えた。さらに3球目の暴投で1死三塁へ局面が変わったことで「犠牲フライでもいい」とまたマインドチェンジ。ファウルを挟んだ5球目、甘く入ってきた140キロをコンパクトに振り抜き、三遊間を破る適時打にした。

 4回無死一塁では制球に苦しむ岩崎の球を見極めて四球を選択。6回先頭では斎藤から死球をもらい、全打席出塁を果たした。7日の紅白戦を皮切りに実戦8試合で放ち続けた存在感。高い数字はもちろんのこと、状況に応じた“任務”をきっちり把握して体現する良質な打席が目を見張る。

 首脳陣の声も当然、弾む。浜中打撃コーチが「凡打の内容も良い。一皮も二皮もむけたと思える打席の内容」と称賛。矢野監督は同じく結果を残す木浪とのライバル関係を念頭に「そこに意識を置いたりしている風には見えない。もっと高いところに意識があると思うから」とにじみ出る決意を感じ取る。鳥谷らも含む遊撃争いの決着はまだ先でも、「第1ラウンド」の春季キャンプで一番目立ったのは、誰が見ても北條だった。(巻木 周平)

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2019年2月27日のニュース