日本ハム・西川、球団が誠意を示した「2年契約」の意味

[ 2018年12月16日 10:15 ]

契約更改を終え、報道陣が用意したくす玉を割りガッツポーズする西川(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハム・西川が今オフの契約更改交渉で2年総額4億円プラス出来高払いでサインした。順調にいけば2年後のオフに国内FA権を取得するスピードスターを長期契約で縛るのではなく、「FA権を取得するまで集中してもらいたい」という球団の誠意だった。

 西川もその球団の期待に応えるつもりだ。プロ8年目の今季までに盗塁王3度に、ベストナイン、ゴールデングラブ賞はいずれも2度獲得。日本を代表する外野手に成長したが、今後は自身のプレーだけでなく、チームの戦力底上げのために後輩の指導にも目を向けていく考えだ。それは自らが若手だった時に先輩の稲葉篤紀(現侍ジャパン監督)に「ことあるごとに質問をしていた。思ったことは全て聞いた」という経験からだ。稲葉先輩のおかげで自身が成長できたと感謝しているからこそ、今度は「若い伸び悩んでいる子たちをサポートしてあげたい」と話す。

 西川の野球観に、一目置く選手は多い。野手だけでなく、ベテラン左腕・宮西やエース格に成長した上沢らも西川に打者視点での嫌なことを聞いたり、中堅の守備位置から感じたことの意見を参考にして投球に取り入れている。シーズン中の球場入りは誰よりも早く、試合後も居残り練習を行い、誰よりも球場にいる時間が長い西川。これまではそのような姿勢を背中で見せてきたが、これまで以上に若手へのアドバイスが増えれば、間違いなくチームにとってはプラスとなる。

 「求められたことは何でもしたいし、一緒になって考えたい。そうやってチームが前に進んでいければいい」。FA権取得前に、日本ハムが複数年契約を結んだのはダルビッシュ(現カブス)、陽岱鋼(現巨人)ら一部のスター選手のみ。その自覚を持って、西川が2年契約1年目となる来季のスタートを切る。(記者コラム・東尾 洋樹)

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2018年12月16日のニュース