中畑清氏提言 使命を終えた交流戦、代わりに国際交流を…Wシリーズ、世界に門戸開放して

[ 2018年10月16日 10:30 ]

14日のヤクルト戦でCS史上初のノーヒットノーランを達成した菅野(撮影・島崎忠彦)
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 【キヨシスタイル】凄かったねえ、巨人・菅野のノーヒッター。こんなドラマを用意してくれるなんて、CSはたまらんね。

 2007年に導入されたCS制度。賛否両論あって今も反対の声が聞かれるけど、興行的には大成功してる。セは広島が9月26日、パは30日に優勝を決めたのに、最後まで大勢のお客さんが球場に足を運んでくれた。

 3位まで日本一の可能性が残る制度のおかげで閑古鳥の鳴く消化試合は激減し、今季のプロ野球観客動員数は史上最多となる2555万719人を記録。1試合平均は2万9779人と3万人に迫った。CS導入前年の06年は2040万6958人で平均2万4122人だったから、12年間で25・2%伸びたことになる。

 プロ野球は興行的に成り立つのが大前提。集客面での貢献を素直に評価すれば、CSはもうやめられない。そう思うと同時にファンが求める制度の見直しや導入、改革を考えていきたいね。

 見直しという点では、05年に導入されたセ・パ交流戦はもう使命を終えたと思っている。今季の1試合平均動員数はセが3万3183人、パは2万6376人と格差が縮小。オールスターでの夢の対決や、日本シリーズの対決の新鮮さを奪っているデメリットを考えれば、交流戦はもうやめてもいいんじゃないかな。

 その代わりに進めたいのが国際交流。2年か4年に1回でいい。アジアやヨーロッパでやってるプロリーグの優勝チームをワイルドカードでMLBのポストシーズンに参加させてほしい。「ワールドシリーズ」と名乗っているんだから、世界に門戸を開放してよ。

 NPBを経ずにメジャーを目指す選手が出てくる時代。日本にいながらワールドチャンピオンになれる形ができたら「いきなりメジャー」にある程度の歯止めができる。メジャーに行くなら先駆者の野茂英雄やイチロー、ゴジラ、ダルビッシュ、田中マー君、大谷翔平のように日本でしっかり土台をつくってからの方がいいと思う。

 さて、CSは17日からファイナルS。巨人は広島が苦手にしている左腕のメルセデス、田口、今村、吉川光をどう使うのか。菅野は第何戦かなあ。ああ、ワクワクしてくる。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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