金足農・輝星、憧れ桑田氏にV宣言だ!左股関節不安なし「今からでも投げられる」

[ 2018年8月20日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念大会準決勝   金足農―日大三 ( 2018年8月20日    甲子園 )

祖父が梨農園を営んでいる金足農・吉田は梨を手に笑顔(撮影・近藤 大暉)
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 第100回全国高校野球選手権記念大会は20日、準決勝2試合が行われる。金足農(秋田)の吉田輝星投手(3年)は第1試合で日大三(西東京)と対戦し、秋田勢では春夏通じ1915年、第1回大会の秋田中以来103年ぶりの決勝進出を狙う。「桑田二世」と呼ばれる150キロ右腕は、始球式を務めるPL学園出身の桑田真澄氏(50)に「優勝宣言」を伝えるつもりだ。

 近江との準々決勝では左股関節に不安を抱えながら、4試合連続完投。一夜明け、吉田は「もう大丈夫です。今から試合でも投げられる状態です」と笑顔でアピールした。中泉一豊監督も「足がしっかり上がっているから大丈夫じゃないの。基本的にはいってもらうつもり」と託した。休養日のこの日は軽いジョギングとストレッチをし、温泉と焼き肉で英気を養った。

 楽しみがある。準決勝第1試合のレジェンド始球式に桑田真澄氏が登場。「始球式で桑田さんと並びたい。桑田さんも(1、3年で)優勝しているので、“自分も優勝します”と言いたい」と目を輝かせた。金足農が後攻なら願いは実現する。運命を決めるのは先攻、後攻を決めるじゃんけん。秋田大会から9試合で8勝の佐々木主将に思いは託される。

 桑田氏との共通点は多く「桑田二世」と呼ばれる。同じ右腕で1メートル74の桑田氏に対し、吉田も1メートル76と上背はないが伸びのある速球を投げ、三振を奪う。吉田は桑田氏の現役時代の投球を動画で見て参考にしており「こんなに凄い投手の足元にも及ばない」と言う。

 金足農とPL学園は因縁もある。84年に初出場した金足農は準決勝でPL学園と対戦し、8回に桑田に逆転2ランを打たれて敗れた。同校OBである吉田の父・正樹さん(42)は84年の「金足農旋風」のベスト4を見て、同校に進学。進路決定の理由に「父さんの影響もあった」と話す吉田にも、やはり因縁めいたものがある。

 日大三に勝てば、秋田勢では第1回大会の秋田中以来、103年ぶりの決勝進出。吉田は早実・斎藤(現日本ハム)、桐光学園・松井(現楽天)らができなかった大会最多の5試合連続2桁奪三振にも挑む。「秋田の代表として、東北の代表として、たくさんの思いを背負って戦いたい。優勝旗を持って帰りたい」。桑田氏の一投で力をもらい、東北勢初の大旗に前進する。(武田 勇美)

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