ロッテ二木 サインに首振り初完封逃す 捕手・田村「ありえへん」頭ぽかっ

[ 2017年5月28日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ2―1オリックス ( 2017年5月27日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>完封を逃した二木(右)は3勝目を挙げるも捕手・田村から頭をポカリとやられる
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 ロッテが27日のオリックス戦に勝ち、今季初の3連勝を飾った。二木康太投手(21)が1失点でチーム今季初完投。チーム単独トップの3勝目を挙げた。25日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)は5本塁打と打線が爆発し、前日26日はオリックスにサヨナラ勝ち。さまざまな形の白星で、最下位チームに好循環が出てきた。

 ご褒美は「ぽかり」だった。5安打1失点で自身初の無四球完投を果たした二木は、女房役の田村から「首振って本塁打とかありえへん」と頭を叩かれた。殊勲の21歳は「欲張った。すみません」と頭をかいた。

 9回2死まで自身初の完封ペース。T―岡田に1ボール1ストライクから田村のフォークのサインに首を振ってまで146キロの直球で勝負した。それを右翼席へ運ばれ、「追い込んでからフォークで三振という気持ちがあった」と苦笑いだ。

 1メートル87の長身から投げ下ろす直球とフォークを武器に、得点圏の走者は2回1死一塁から犠打で送られた一度だけ。「スライダーでもカウントが取れたので直球が生きた」という投球で9三振も奪い、本塁打以外は得点機を与えなかった。伊東監督も今季初の3連勝をもたらした右腕に「攻める気持ちがあった」と納得の表情だ。

 7勝した昨季、英二投手コーチからは一度も褒められなかった。防御率は5・34。スタミナ不足で自滅を繰り返す姿に、同コーチは時には無視して自覚を促した。「あいつは(マリナーズの)岩隈投手くらいになれる」と潜在能力を見抜いているから、要求も高い。

 オフに肩周りの筋力を強化し、球威も増した。「昨年は悪くても使ってもらった。今年は使って良かったと思われたい」と、4年目右腕に自信がみなぎる。思い返せば、プロ初完投初勝利を挙げた昨年4月12日の楽天戦(コボスタ宮城)がこの日と似ていた。9回1死からつかまって完封がスルリ…。「あと2アウト」が「あと1アウト」に変わった好投は、きっとまた二木をたくましくする。 (君島 圭介)

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