慶大 リーグ戦戦後初!満塁弾2発 28日勝てば6季ぶり歓喜

[ 2017年5月28日 05:30 ]

東京六大学野球第8週第1日   慶大8―5早大 ( 2017年5月27日    神宮 )

<早大・慶大>7回1死、逆転の満塁弾を放つ慶大・柳町
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 早慶戦が行われ、連勝すれば14年春以来6季ぶりの優勝となる慶大が早大を8―5で下し、王手をかけた。6回に清水翔太内野手(4年)が右越えに満塁弾。1点を追う7回にも柳町達(たつる)外野手(2年)が右越えに逆転満塁弾を放った。1試合2本の満塁本塁打はリーグで戦後初めて。慶大は28日の2回戦も勝てば35度目の優勝が決まり、敗れると既に全日程を終えている立大が99年秋以来35季ぶり13度目の制覇となる。

 集中力は極限に達していた。逆転されて迎えた7回1死満塁。3番の柳町は近づいてきた先輩の4番・岩見から「おまえが決めて勝ちゲームにしてくれ」と声を掛けられても耳には入っていなかった。

 「(相手投手の早川は)スライダーが多かったので、1球だけ狙ってみようと思っていた」。読み通りだった。初球、スライダーが肩口から甘く入ってきた。右足をすり気味に出し、そこから足を上げる独特の打ち方。完璧なタイミングで捉えた打球は、ライナーで早大生が陣取る右翼席に突き刺さった。「自分の野球人生の中でも最高のバッティングだった。満塁本塁打は(人生で)初めて」と笑顔を浮かべた。

 春季キャンプでは、大久保秀昭監督から岩見、郡司、清水翔らとともに「おまえたちが打たないと勝てない」と指名され、フリー打撃の時間を倍もらった。「だから振って振って1日1000スイング。ヘッドスピードを上げることをやってきた」。その成果を優勝の懸かる早慶戦で出した。

 2年生の柳町が逆転満塁弾なら、先制満塁弾は4年生の清水翔だった。6回2死満塁から右翼席に叩き込んだ。5回まで無安打に抑えられていた先発の左腕・小島を攻略し「(ダイヤモンドを)回っている情景がまだ残っている」。試合後も興奮冷めやらぬ様子だ。

 戦後初の1試合2本の満塁弾でついに6季ぶりの優勝に王手。試合前に「おまえたちを信じているから」と送り出した大久保監督は「つながったね。4安打で8点、えっ何?って感じだよ」と驚きつつ、確かな手応えをつかんだ。「2回戦に勝たないと意味はない。死に物狂いで勝ちにいきます」。柳町のセリフは慶大ナイン全員の思いだった。 (落合 紳哉)

 ▼早大・高橋広監督 満塁弾2本はかなわない。それに尽きる。

 ≪満塁本塁打1試合2本≫東京六大学リーグの満塁本塁打は今季5本目。通算94本となった。1試合2本の満塁本塁打はプロ野球では過去23度あり、最近では13年8月22日にロッテの井口と鈴木が西武戦で記録している。また、甲子園で満塁本塁打は春夏合わせて69本出ており、1試合で2本出たのは一度だけ。15年春に松本哲幣(敦賀気比)が、大阪桐蔭戦で2打席連続で記録した。

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