イチロー マエケンから5打席目初安打「ピッチャーという感じ」

[ 2016年9月13日 05:30 ]

<マーリンズ・ドジャース>4回1死、前田中前打を放つイチロー

ナ・リーグ マーリンズ3―0ドジャース

(9月11日 マイアミ)
 3回までわずか30球で1安打と好投していた前田を崩したのは、マーリンズのイチローだった。4回1死。外寄りに甘く入った82マイル(約132キロ)のスライダーを逃さず、中前に運んだ。4月28日の初対戦から5打席目での初安打。これが日米通算4300本目の安打でもあった。ここから後続の連打と犠飛で2点を先制し、チームの勝利につなげた。

 「ピッチャーという感じのピッチャーだね」

 試合後、前田の印象を初めて口にした。前回は自身を慕っていたゴードンが薬物規定違反で80試合の出場停止処分が発表され、前田については「コメントできないですね」としていたためだった。「頭を使っての組み立てか」との問いには「それだけではないですがね」と含みを持たせた。

 2戦6打席で放った安打はこの1本だが、5回には右翼フェンス手前まで運ぶ大飛球を放った。2試合、全17球の攻防で90マイル(約145キロ)を超えた球はわずか6球と、変化球が多い投球には「日本のピッチャーは、みんなそうでしょう。黒田以外」と右腕を分析。初球ツーシームを「チェンジアップかと思った」と手を出した1打席目の投ゴロ併殺打には「投球術という感じがする」と評価を与えた。

 前田が広島でプロ1年目を迎えた07年。イチローはメジャー7年目で、当時レッドソックス1年目の松坂らと対戦を繰り広げていた。今季は日本投手がア・リーグに多く、対戦したのは前田だけ。そして、マ軍がポストシーズンに進出しない限り、今季はこれが最後となる。4月との印象の違いについて「変わらないです」と答えたイチローだが、来季以降も2人は新たな名勝負を見せるはずだ。 (笹田幸嗣通信員)

 ≪松坂&ダルから7安打≫イチローはこれまで大リーグで24人の日本投手と対戦し、前田を含む18人から安打を記録。最も多いのは松坂とダルビッシュの7本で、石井と小林からは本塁打をマーク。01年5月2日の野茂との初対戦ではメジャー初死球も記録した。また、大リーグ全体では、前田がイチローから安打を打たれた880人目の投手となった。

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