ヤク山田 シーズン11球団制覇弾 交流戦18試合制では史上初

[ 2016年6月18日 05:40 ]

<ヤ・西>7回1死一塁、山田が左越えに2ランを放ち笑顔でベンチの出迎えを受ける

交流戦 ヤクルト5―1西武

(6月17日 神宮)
 ヤクルトの山田哲人内野手(23)が17日、西武戦の7回に左越えへダメ押しの22号2ランを放った。本塁打レースで独走し、さらに同一シーズンで全11球団を相手に本塁打をマーク。13年のバレンティン(ヤクルト)以来15人目だが、交流戦が18試合制と少なくなった昨季から初の快挙となった。わずか70試合での「11球団制覇」。2年連続トリプルスリーでの3冠王達成に向け、ばく進している。

 鋭いライナーが神宮の夜空に飛んだ。フェンス直撃かと思われた山田の打球は、最後のひと伸びで左翼席最前列へ。リーグトップを独走する22号2ランは、今季対戦した全11球団から本塁打を放つ離れ業となった。

 「なかなかないこと。そういう記録を達成できて、素直にうれしいです」

 球団では13年のバレンティン以来5人目だが、日本人では初。交流戦が18試合制と少なくなった昨季からも初めてだ。それも同じく11球団から本塁打を狙っている西武・メヒアの前で先に達成した。二人三脚で歩んできた杉村チーフ打撃コーチですら「これだけのマークの中で打つのは技術が上がっているのだろう。一段とまた、デカくなったな」と、その成長曲線に驚きの色を隠せない。

 普段は対戦しないパ・リーグの投手相手にも数字を残す要因を、山田は「思い切って自分のスイングをすれば、打てると思っている」と言う。配球を読むことよりも、自身の直感を信じてバットを振る。「壁にぶち当たったら考えるかもしれないが、相手どうこうよりも自分のスイングをすれば大丈夫」。この日は3―1の7回1死一塁。2ボールから佐野の3球目の直球を捉えた。「(狭い)神宮のおかげで入ってくれた」と照れ笑いしたが、低い弾道を描いた「安打の延長」のようなアーチには「それがベストです」とうなずいた。

 スーパースターへの階段をまた一段上がった。「似てるよね、フフフ」と頬を緩めるのが、元巨人の桑田真澄氏のそっくりさん、「桑田ます似」の草野球チームでプレーする、自身のそっくりさん「山田別人」の存在だ。映像でプレーする姿もチェックし「頑張ってほしい」と気に掛けている。モノマネされるプロ野球選手は巨人・長嶋茂雄終身監督やピート・ローズが持つ大リーグ記録の4256安打を日米通算で抜いたイチロー(マーリンズ)らそうそうたる顔触れが並ぶ。まさに超一流の証。「知名度が出ているということなら、うれしいこと。ありがたいですね」と若きスターの歩みは止まらない。

 「長打は狙っていない。欲を出さずにコンパクトにシンプルに」と地に足を着けて戦う山田。チームは連敗を2で止めたが、いまだ11の借金を抱えて最下位に沈む。リーグ連覇への道は険しいが背番号1は輝きを増すばかりだ。(町田 利衣)

 ≪バレ以来15人目≫山田(ヤ)が今季西武戦初アーチとなる22号。これで今季はセ5球団、パ6球団の対戦11球団全てで本塁打をマーク。同一シーズンで11球団から本塁打したのは13年バレンティン(ヤ)以来15人目(17度目)。交流戦終了までに達成したのは08年ウッズ(中)、前記バレンティンに次いで3人目。交流戦は昨年から同一カード3連戦×6の18試合制を採用。過去のシーズン11球団本塁打延べ16人の交流戦試合数内訳は36試合制9人、24試合制7人となっており、18試合制で記録したのは山田が初めてだ。

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