楽天オコエ14安打!大谷超え 交流戦高卒ルーキー最多

[ 2016年6月18日 06:23 ]

<D・楽>初回無死、左中間に長打を放ち、一気に三塁に滑り込むオコエ

交流戦 楽天8―5DeNA

(6月17日 横浜)
 誰にも止められない。楽天のオコエは大きなストライドで加速し、勢いよく二塁ベースを蹴った。

 タイミングは完全にアウトだったが、DeNAの中継の乱れを誘ってセーフになった。「暴走三塁打」。お祭り騒ぎの楽天ベンチを見た18歳は、照れ笑いを浮かべた。

 「暴走気味でした。ちょっと危ないと思ったけど、先頭打者の勢いで走った。止まるべきでした。ラッキーでしかない」

 初回。1番のオコエが敵地を沸かせる。フルカウントからの6球目、久保康が投じた内角直球を捉え、左中間を破った。この三塁打で打線に勢いをもたらし、一挙3点を先制した。前日の巨人戦(東京ドーム)の試合前。同じSSK社のバットを使うなど尊敬している坂本から「内角は左肘を抜くように打てばいい」と助言を受けた。「坂本さんの言った通りに振ったら(内角を)打てました」。7回にも左前打を放ち、今季の交流戦で通算14安打。高卒新人では日本ハム・大谷の13安打を上回り、交流戦のシーズン最多安打となった。

 坂本の助言を1日で実践したように、持ち前の向上心で驚異の成長曲線を描く。クイックの名手である久保康には2軍で対戦。2試合計8打席で8打数無安打に抑えられたが、一流の技を体感できた。「左足を上げる暇もなかった」。左足を小さく上げるすり足気味のフォームを練習し、短期間で習得。追い込まれてから実践するなど「引き出し」が増えた。通算打率・212ながら、最近10試合はこの日も含め3度のマルチ安打を記録するなど打率・256だ。

 7回の中堅守備では関根の大飛球を背走して好捕し、攻守で勝利に貢献。交流戦は9勝7敗とし、負け越しがなくなった。5月に9連敗を喫したが、オコエの1軍再昇格からチームの調子は上昇。梨田監督はオコエの初回走塁について「ノーアウトで無理する場面じゃない」と苦言しつつ、「セーフになるのは持ってるのかな」と笑った。

 プロ入り当初は90キロだった体重は92キロ。「もっと体を大きくしたい」という願望もあり、2日前からナイター日の午前中の筋力トレーニングを取り入れた。「明日も気合マックスで頑張ります」。暴走してもセーフにしてしまう18歳はたくましい。 (山田 忠範)

 ▼DeNA・倉本(初回の中継プレーで送球がそれて、オコエに三塁打とされ)(二塁を)回るのが見えた。ワンバウンドだったらアウトだったと思う。指に引っ掛かってしまい、僕のミスです。

 ▼楽天・真喜志内野守備走塁コーチ(初回のオコエの走塁について)暴走や。次の塁を狙う姿勢は大事だけど、結果オーライとして片付けてはいけない。

 ≪4度目マルチ≫オコエ(楽)が初回に左中間三塁打を放つと7回には左安打。1試合複数安打は11日の広島戦で3安打して以来今季4度目になった。また、三塁打は7日のヤクルト戦以来2本目だ。なお今季の安打は14本目で、全て交流戦でマーク。13年大谷(日)の13安打を抜く高卒新人の交流戦シーズン最多安打になった。

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