金本監督、大きくため息「していい失敗と、いけない失敗がある」

[ 2016年5月16日 08:15 ]

<D・神>8回2死二・三塁、梶谷の飛球を一塁手・ゴメス(左)が見失ったのか三塁手・今成が追うも捕れず2点適時打になる

セ・リーグ 阪神5-5DeNA

(5月15日 横浜)
 試合終了の瞬間、阪神の金本監督は大きく息を吐いた。喜べる引き分けではない。勝てた。いや勝たなければいけない試合だった。7回終了時点で4―0。逃げ切れなかった最大の要因が一つのミスだったことを残念がった。

 「あのフライがすべて。みんな、捕りに行かないと。していい失敗と、してはいけない失敗がある。積極的なミスとか、そういうのは全然アレだけど、消極的なミスだから」

 8回、能見が宮崎に適時二塁打されて1点を返された。なお2死二、三塁で梶谷を迎え、左腕の高橋を投入した。ベンチで好投した能見を出迎え、あとは救援陣で残る4つのアウトを取るだけだった。実際、高橋が速球で梶谷のバットを押し込んだ凡飛は高~く舞い上がった。

 捕手の原口がジェスチャー付きで「一塁!」と声を出しても一塁手のゴメスもノラリクラリと前に出てきただけ。原口も指示を出した後はほとんど動かない。最後は三塁手の今成が慌ててグラブを出しても間に合わず、本塁と一塁の間付近にポトリと落ちた。2死で走っていた走者2人に本塁生還されて一気に1点差へ。記録上は内野安打でも事実上の“失策”だ。

 矢野作戦兼バッテリーコーチは「難しいプレーではない。原口も指示が早かったし、みんなして捕りに行ってない」と消極姿勢を指摘。高代ヘッドコーチも「落ちた場所からいえばゴメスなんだろうけど、原口も指示を出したのはいいけど、この球場は風も強いし、みずからも追いかけながらじゃないと」と続けた。

 強い風の舞う横浜スタジアムでの飛球捕球の難しさは見た目以上。だからこそ“誰かが…”ではなく“自分が…”の心構えを金本監督ら首脳陣は求めた。拙守に関わったゴメスが直後に10号ソロで突き放しても狂った歯車は戻らずマテオが不調で追いつかれた。救いは負けなかったこと。勝率5割で迎えた8試合は6勝2分。借金転落だけは踏みとどまり、すべてに通じる積極性という教訓を得た。

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2016年5月16日のニュース