丸奪首弾「全員がつなぐ意識で」菊池高打率も好影響

[ 2016年4月15日 06:11 ]

<広・中>3回2死一塁、逆転の2点本塁打を放った丸を迎えるジョンソン(左)と新井(右)

セ・リーグ 広島10-1中日

(4月14日 マツダ)
 広島は14日、中日戦(マツダ)で今季3度目となる2桁10得点で大勝し今季初の4連勝。貯金も最多4とし阪神とともに首位に再浮上した。丸佳浩外野手(27)が1点を追う3回に逆転の3号2ランを放つなど3打点の活躍で勝利に導いた。先発のクリス・ジョンソン投手(31)も7回1失点の好投で2勝目を挙げた。

 勝利の立役者はかすれ声だった。丸はグラウンドでのヒーローインタビューを終え、通路で待ち受ける報道陣の輪の中心に入ると開口一番“謝罪”の言葉を口にした。

 「すいません。のど痛くて声張れないんで…」

 実は数日前から不調を抱えていた。それでも決める時は決める。先制点を許した直後の3回。2死から右前打で出塁した菊池を一塁に置き、一振りで空気を一変させた。2ボール1ストライクから小熊の直球を振り抜き右中間席に叩き込んだ。

 「どちらかというと、つなぐ意識。甘めの球をしっかりと捉えられた」

 逆転の3号2ランが導火線となった。4回は5安打を集中して4得点。5回は先頭から4連続四死球につけ込み、わずか1安打で3点を奪った。

 「全員がつなぐ意識を持ってやっている。3番である以上、打点を上げられるのが一番いい」

 この日の3打点で15打点とし、トップの阪神・ゴメスとは4打点差。好調な攻撃陣において得点源となっている。

 試合前練習のティー打撃。丸にはルーティンがある。まずは左右それぞれの手で打つ。次にバットを握る手の左右を「逆手」にし、それが終わるとインパクトの瞬間にバットを止める。通常のものと合わせ毎試合、5種類を繰り返す。

 「振りすぎると気持ちよくなって勘違いすることがある。確認だけできればいいので」

 “止めティー”はトップからインパクトまでのバットの軌道を確認するため。相手の投球に崩されても、軌道を一定にすることで対処する。石井打撃コーチの指導のもと、春季キャンプから取り入れた練習を継続し、好調をキープしている。

 この日、3安打3打点の活躍でエルドレッドを抜き、打率・385でトップに立った2番・菊池は「ケースに応じた野球ができるかを、ずっとやっている」と役割を自覚する。当然、丸には走者がいる場面で打席に立つ場面が増える。

 「キクがいいから、僕もつながりやすい」

 12球団トップのチーム打率・283を誇る打線。得点源のキクマルを中心に25年ぶり優勝へと突き進む。(桜井 克也)

続きを表示

2016年4月15日のニュース