流れを止めた“ラミ・スペシャル”重盗 一時同点も敵将感謝

[ 2016年4月15日 08:26 ]

<神・D> 5回無死一、三塁、打者・戸柱のとき、一塁走者・倉本が一二塁間にはさまれる間に、三塁走者・乙坂が生還(捕手・岡崎)

セ・リーグ DeNA2-5阪神

(4月14日 甲子園)
 DeNAベンチは「まずは同点」を考えた。しかし、阪神ベンチは「同点ならOK」と考えていた。1点を追う5回、乙坂と倉本の連打で無死一、三塁の好機をつくった。打席には8番・戸柱。ここでラミレス監督は1ストライクからの2球目に重盗のサインを出した。一塁走者の倉本は二塁手前で止まりタッチアウトになったが、この間に三塁走者の乙坂が生還し同点に追いついた。

 指揮官は次のように意図を説明した。「4回1死一、三塁で筒香とロペスで点が取れなかったので、何とか点を取ろうと思った」。初勝利を目指す今永が登板した過去2試合は14イニングで援護点0。ルーキーを援護しようと、倉本がアウトになることは想定の上で1点を取りにいった。得意の戦法で、同カードでも3月10日のオープン戦(甲子園)、今月2日(横浜)と2度仕掛けていた。

 しかし、阪神・金本監督の試合後の言葉が全てを物語っていた。「あれで流れが止まった。ありがとうございました。(1点は)どうぞ、どうぞ。ランナーなしなら喜んで」。守備隊形も併殺狙いの中間守備だった。リーグワーストのチーム打率・226と打線に勢いがない中、DeNAのラミレス監督が取った作戦が相手への援護となってしまった (中村 文香)

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2016年4月15日のニュース