ロッテ「日本一の練習量」秋季キャンプ 地獄の“神社参拝”トレとは…

[ 2015年12月22日 08:47 ]

秋季キャンプで過酷な階段トレをこなすロッテ投手陣

 この時期の契約更改を見ていると、プロ野球の厳しさをあらためて感じる。選手としての価値を表すのは「お金」。1年間の活躍で年俸が3倍以上に膨れあがる選手もいれば、10分の1になる選手もいる。

 11月のロッテの千葉・鴨川秋季キャンプを思い出す。CSファイナルSに進んだが日本シリーズ切符を逃し、「日本一の練習量」を掲げたキャンプ。ある日の午後、投手練習メニュー表に「神社参拝」と書かれていた。球場近くの「男金(おがな)神社」に行くと、急斜面に階段が伸びていた。「参拝」の正体は地獄の階段上り。上から写真を撮ろうと歩いて上っただけで汗が噴き出し、両脚が上がらなくなった。

 いい階段があるというファンからの情報提供がきっかけで練習メニューに組み込まれた。落合投手コーチは「(男金神社という)名前がいいよね。“男”の“金”だもんな」と言っていた。地道な下半身強化が来季の活躍、年俸アップにつながる。まさに男が金を稼ぐための練習だ。「30本行くぞ」という掛け声に耳を疑ったが、投手陣は本当に何本も階段を駆け上がった。メンバーは松永、田中英、阿部、二木ら若手中心。「1本上るだけでめっちゃきつい」と話していた阿部は今季14試合の登板で1勝1敗。来季は高卒9年目となる。「今までは先発にこだわってきたけど、中継ぎでも自分の居場所を見つけられればいい」と話す。現実的な目標は1軍定着だろうが、1軍争いをするレベルから1段階ステップアップしなければ、お金を稼ぐことはできない。

 階段を上りきった松永が肩で息をしながら「144段あったわ」と言っていた。144という数字が頭に残った。シーズン試合数143プラス1。143試合1軍に定着し、さらに「1段」レベルアップするための「男金神社の144段」だったのかもしれない。(記者コラム・渡辺 剛太)

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