花巻東聖地白星祝った!大谷 代打で80日ぶり4号「励みになる」

[ 2015年8月8日 05:30 ]

<日・楽>8回、ソロ本塁打を放ちベンチの出迎えを受ける大谷

パ・リーグ 日本ハム6-1楽天

(8月7日 札幌D)
 打者・大谷が目を覚ました。日本ハムは7日、6―1で楽天を下し、連敗を4で止めた。5点リードの8回に代打で登場した大谷翔平投手(21)が右中間席へソロアーチ。5月19日の楽天戦(コボスタ宮城)以来、80日ぶりの今季4号で試合を決めた。今季投手としては両リーグ最多の11勝を挙げているが、打者としても本領を発揮。二刀流の夏はこれから熱くなる。

 オールドファンには懐かしいユニホームを身にまとった大谷がダイヤモンドを1周した。5点リードの8回だ。先頭打者の代打・大谷は、下手投げ・加藤が1ボールから投じた2球目の直球を叩いた。右中間最深部へ飛び込む4号ソロは、5月19日の楽天戦(コボスタ宮城)以来、59打席ぶりの一発だ。割れんばかりの大歓声が響いた札幌ドーム。誰もがこの男の一発を待っていた。

 「相手より、自分のスイングをしようと思った。詰まったので、いくかは分からなかった」

 「レジェンドシリーズ2015」と銘打ち、81年初優勝時の白地に青のストライプが入ったユニホームを着用し、自然と気合が入った。しかも前日まで首位・ソフトバンクに屈辱の3連敗。大谷は4日の初戦で先発したが、自己ワーストタイの7失点で敗れた。この日は福岡からの移動ゲームで疲労を考慮され、フリー打撃をしなかった。それでもベンチ裏の素振りでイメージを描き、グラウンドでの初スイングが代打で2年ぶり2本目の一発になった。

 打撃好調な4年目・近藤がDHで起用され、後半戦は全て代打出場。不振を極め「ストライクにうまく反応できていなかった」と振り返る。昨季途中から採用したオープンスタンスとスクエアスタンスを交互に試すなど試行錯誤し、この日はバッターボックスに平行に立つスクエアスタンスで打席に立った。無駄な動きを省き、シンプルにミートを心掛け、一振りで結果を出した。

 くしくもこの日、母校・花巻東が2年ぶりの夏の甲子園を初戦突破。移動前の福岡の宿舎でテレビ観戦した。1学年上の先輩・上沢の母校でもある専大松戸(千葉)との対戦でもあり「僅差で面白い試合だった」。大谷自身は2度の甲子園出場はいずれも初戦敗退しているだけに「励みになる。甲子園で1勝もできなかった人(自分)としてはうらやましい」。豪快な祝砲で花を添えた。

 チームの連敗は4でストップ。栗山監督は「遅いよ!まだ1割台(・188)だからそんなに偉そうには言えない」といつも通り大谷には厳しかったが、復調に顔をほころばせた。昨年は「2桁本塁打&2桁勝利」を達成。今年も2桁勝利(11勝)は達成したが、本塁打はまだ4本だ。「今の状態をしっかりと保ちながら、ところどころ考えながらやりたい」。2年連続の偉業をまだ諦めてはいない。 (柳原 直之)

 ☆1981年の日本ハム 大沢啓二監督が6年目の指揮を執り、前期は4位ながら後期優勝。プレーオフで前期優勝のロッテを3勝1敗1分けで下し、東映時代の62年以来、19年ぶり2度目のリーグ制覇を果たした。巨人との日本シリーズは2勝4敗と日本一は逃したが、ソレイタが打点、本塁打の2冠。この年にトレード移籍した江夏豊がセーブ王を獲得し、間柴茂有が15戦無敗のプロ野球記録(当時)を樹立した。

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