キヨシ監督「あしたもカツカレー!」 久保自身初1―0完封

[ 2015年7月1日 05:30 ]

<D・中>中日打線をわずか2安打に抑え完封で5勝目を挙げた久保

セ・リーグ DeNA1-0中日

(6月30日 沖縄セルラー)
 最高気温32度。蒸し暑い沖縄の夜、クールな男が珍しく両拳を突き上げてガッツポーズした。今季初完封。1―0はプロ11年目で初めてだった。DeNA・久保は昨年7月9日巨人戦に続く2年連続の沖縄での白星に「うれしいより疲れた。(沖縄は)年に1回しか来られないので、いい試合をつくれて良かった」とお立ち台で振り返った。

 9回でも直球は145キロを計測。自慢の制球力に加え、球威も増した右腕は谷繁に許した2本だけで、6回以降は無安打に抑えた。「点が入っていない方がリズムよくいける」。ただ、暑さで体力的にも精神的にも疲弊した。110球の熱投で今季5勝目。「いっぱいいっぱい。球数も自分的にはもう少し投げたと思った」と振り返った。

 高速クイックから多彩な変化球。「柔」のイメージが強い久保だが、今年の春季キャンプから「剛」も追求した。上から投げ下ろす形から横滑りのイメージで右腕を鋭く振る投球フォームに改造した。「(球を)ホップさせるイメージ。もっと強い球を投げたい」。昨季チームトップの12勝を挙げても進化を求めた。しかし、苦しんだ。

 自身初の開幕投手を務めた3月27日巨人戦(東京ドーム)で4回3失点KO。エースと期待されながら、ここまで4勝4敗だった。「原因は分かっている。新しいフォームで低めに投げる練習をしていないから、どうしても修正できずに浮く」と分析した。結果が出ない日々。それでも、昨年までのフォームには戻さなかった。「現状維持で満足したら進歩がない」が口癖で、いばらの道を選択。昨年とは違う投球スタイルで、チームに今季73試合目で初めての完封勝利をもたらした。

 この日、中畑監督は午前中に那覇市内の宿舎近くの「波布(はぶ)食堂」で昼食。規格外の量に定評がある店で、食べたカツカレーは茶わんで山盛り2杯分の米に2枚分のカツが乗せられていた。「カツ=勝つ」の願かけは通じ、中日戦5連勝で借金2。「久保らしい投球。直球から気持ちが伝わってきた。あしたも…カツカレーいこう!」とご満悦だった。 (平尾 類) 

 ▼DeNA・川村投手コーチ(久保について)良かったです。球数も少なかったし、持ち味が出ていた。

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