和田“6度目の正直”で背水1勝!スラングでメディアも攻略

[ 2015年6月19日 05:30 ]

インディアンス戦に先発し、4回を終えファウラー(右)とタッチを交わすカブス・和田

インターリーグ カブス17―0インディアンス

(6月17日 クリーブランド)
 カブスの和田毅投手(34)が17日(日本時間18日)、敵地でのインディアンス戦で7回4安打無失点、6三振を奪い今季初勝利を挙げた。ローテーション落ちも危ぶまれる中、今季6試合目の登板でつかんだ初白星。昨年8月24日のオリオールズ戦以来となる勝利となった。メジャー最多の107球、今季最長7回を投げた。試合後にはスラングで地元メディアも攻略し、生き残りへ猛アピールした。

 ぐるりと取り囲んだ地元メディアの取材開始直後だった。和田が通訳を介さず英語で第一声。「I am badass(アイ・アム・バッダス)」。「俺ってすげぇ~!」という意味のスラングに、シカゴメディアは大爆笑した。仕掛け人はジョー・マドン監督。「勝って記者に囲まれたらそう言え」と和田に告げ、直前の監督会見では「これから和田が面白いことを言う」と前振りしていた。それほど指揮官が待ち望んだ白星。メジャー最長タイの7回を投げ4安打無失点。マドン監督も後押しした、新スタイルの投球が生きた。

 鍵はカットボールだった。「右打者のインコースに投げたり、左打者の外に投げたり、カットがうまく機能した。一つの新しいスタイルができた」。象徴的だったのは初めて先頭打者を許した6回無死一塁。2番リンドアをカウント1―2から、外角へのカットボールで見逃し三振。投球の幅を広げようとオフから準備したが、過去5試合は1球も投げていない新球だった。

 実績重視のメジャーの世界。先発5番手の和田は捕手からの信頼は薄かった。投げたいと希望しても出ないサイン。だが、前回11日のレッズ戦で2試合連続5回持たずにKOされた左腕は意を決して行動した。13日に指揮官と個人面談。約15分の話し合いで配球について素直に伝え、指揮官には「自分を信じて、もっとアグレッシブに投げてほしい」と要求された。捕手陣にも丁寧に説明を続け、6試合目で初めて新球を加えた投球が実現。「相手にこういう投手なんだというイメージを植えつければ、変化球も使っていける。長いイニングを投げられる」。手応えが結果につながった。

 背番号が昨季の67から18に変わって挙げた初勝利。だが、厳しい状況は続く。「一つ勝つのは難しいし大変。次も7回といければ周りの見方も変わる。次もそういう形にしないと信頼は得られない」。和田は危機感を失わずに「また“badass”と言えるように」と次を見据えた。

 ◇badass bad―assとも表記される英語のスラング(俗語)。バッドアス、バッダースなどと発音。もともと「たちの悪い男」「短気」「攻撃的」など否定的な意味だったが近年は「格好いい」「イケてる」「最高の」などという意味で使われる。

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