1メートル70でも打てる!西武・森 こどもの日弾「プロを目指してほしい」

[ 2015年5月6日 05:30 ]

<西・オ>お立ち台でガッツポーズの十亀(左)と森

パ・リーグ 西武6-1オリックス

(5月5日 西武D)
 「こどもの日」らしい、お立ち台からのメッセージだ。1メートル70と小柄な西武・森は、球場に詰めかけたたくさんの子供たちに優しく語りかけた。

 「自分は背が低いが、ホームランを打てるところを見せることができました。小さい子供たちもプロを目指してほしい」

 5点リードの7回2死。森は、重心を低くした構えからフルスイングし、マエストリの148キロ直球をしばき上げた。打球は右翼席へ弾丸ライナーで一直線。2試合連発の今季6号は、チームトップの中村に追いつき、昨季の自身の本塁打数に早くも並んだ。森は「僕は小さいけど、少しでも夢を与えられたかなと思う」と胸を張った。

 大の子供好き。急いでいる時でも呼び止められると、足を止めて笑顔でサインをする。新人だった昨年12月7日「所沢シティマラソン大会2・3キロの部」に参加した時には、子供たちの速度に合わせて走り「本当に可愛いですよね」とはにかんだ。こどもの日の企画で小学生に「6番DH・森友哉ーー!」と呼び出された0―0の4回にも、左腕・松葉から右翼線二塁打を放ち、炭谷の犠飛で先制のホームを踏んだ。

 2安打で打率・321はリーグ5位に浮上。好調の要因は、昨季打率・167だった左投手を克服したことにある。秋季キャンプでは宮地打撃コーチから「左腕に対応できないとレギュラーは無理」と宣告され、背中から入ってくる左腕の球筋に対応するため、正面から投げてもらっていたティー打撃を右斜め前からに替えた。これにより右肩が開かなくなり、最短距離でバットが出るようになった。この日も松葉から安打し、今季左投手には24打数15安打、打率・625となった。

 4番・中村が2打点を挙げれば、5番・メヒアは4号ソロ。最後に6番・森がとどめを刺すと、親子連れの西武ドームはお祭り騒ぎになった。チームは今季最長タイの5連勝で首位・日本ハムを0・5ゲーム差で追走。「自分は小さい頃は、ゴールデンウイークは野球をしていて遊びには行けませんでしたね」。そう笑った19歳の顔には、野球少年の面影が残っていた。

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