プロ初勝利から7913日!41歳三浦「緊張した」最長タイ23年連続勝利

[ 2015年5月6日 06:00 ]

<D・ヤ>笑顔でファンとハイタッチする三浦

セ・リーグ DeNA5-4ヤクルト

(5月5日 横浜)
 ハマの番長で奪首だ!DeNA・三浦大輔投手(41)が5日のヤクルト戦で今季初登板し、6回3失点で勝利投手となった。これでプロ2年目の93年から23年連続勝利とし、山本昌(中日)、工藤(西武など)の歴代最長記録に並んだ。投手コーチを兼任するベテラン右腕も加わったチームは今季3度目の4連勝で貯金は最多の5。巨人が大敗したことで単独首位に浮上し、こどもの日の横浜スタジアムは熱狂に包まれた。

 心地良い5月の風に乗って、ファンの大歓声が耳に届く。お立ち台。三浦の言葉には充実感がにじんだ。何年たとうが、勝利の快感は変わらない。だから野球は辞められない。「緊張した。やっと開幕できた」。そして笑顔で声援に応えた。

 シーズン33試合目。背番号18が帰ってきた。「自分で勝てたというより、みんなに勝たせてもらった。感謝しかない」。史上3人目の23年連続勝利。93年9月4日広島戦(北九州)のプロ初勝利から、7913日の歳月が流れた。いまだ現役バリバリ。それを証明する通算167勝目だった。

 「いい緊張感。これを求めていた」。初回、先頭・山田を2球で追い込み、129キロの外角スライダーで空振り三振に仕留めた。5球は全て外角。ホームベースの外側数センチの出し入れで勝負する。受けた高城も「低く構えたミットが全く動かない」と舌を巻いた持ち前の制球力で、6回7安打1四球で3失点と試合をつくった。

 オープン戦では開幕ローテーションの最後の1枠を、3年目の三嶋と争った。結果は2軍スタート。それでも、昨季から投手コーチを兼任する三浦は「正直、うれしかった」 と口にした。三嶋とは自主トレをともに行う。「あいつが苦労している姿も見ている。数年前の自分だったら悔しがったろうけど…」。コーチとして、若手の成長は何よりの喜び。全てはチームのために――。そんな中で大ベテランは、ファームでは朝8時前から自主的に練習。焦らず、腐らず。自分の出番を静かに待った。

 「(記録を)意識していないと言えばうそだけど、一年一年やってきた積み重ねだから」。24年目の最初の白星で、チームは今季3度目の4連勝。巨人をかわして単独首位に立った。30試合以上消化した時点では、00年以来、15年ぶりのことだ。

 「大輔を何とか勝たせたいと、みんなの力が一つになった」と中畑監督は言った。貯金も最多の5。指揮官は「慣れない世界に入った」とおどけながら、首位にいた4月12日から7連敗したことを引き合いに出し「未知との遭遇をすると7連敗するから、気を付けないと」と力を込めた。

 「僕はスタートを切ったばかりなので…」。41歳の、ほんの少し遅れてきた春。三浦が偉業とともに自身の開幕を迎えた。

 ▼中日・山本昌 素晴らしい記録おめでとうございます。200勝まで突っ走ってほしいですね。

 ▽00年の横浜(現DeNA) 権藤監督の下、3月31日の阪神戦では川村(現投手コーチ)が開幕投手を務め、進藤(現ヘッドコーチ)がサヨナラ打。そこから開幕4連勝を飾った。5月4日の阪神戦に先発・三浦で勝利して首位浮上。しかし同10日に2位に転落すると6月には7連敗で最下位に。その後4度の5連勝と6連勝などで盛り返し最終的には69勝66敗1分け。首位・巨人から9ゲーム差の3位に終わった。ローズが21、鈴木尚が20本塁打。勝ち頭は三浦の11勝だった。

 ≪工藤,山本昌に並んだ≫三浦(D)が今季初登板で勝利投手。入団2年目の93年からは23年連続勝利となり、85~07年工藤(横)、88~10年山本昌(中)に並ぶ連続シーズン勝利のプロ野球タイ記録を達成した。また、実働24年は工藤、中嶋(日)の各29年を筆頭に歴代7位タイ。投手では工藤、山本昌の28年に次ぐ記録だ。なお、巨人が広島に敗れたためDeNAは単独首位に浮上。4月12日以来だが、この時は15試合消化時。30試合を過ぎての首位は00年5月13日(31試合目)以来15年ぶりとなった。

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