“崖っ縁男”巨人村田緊急出場で4番弾 原監督ビックリ「まばたき2回」

[ 2015年4月29日 05:31 ]

<巨・中>緊急4番で一撃!4回無死、左越えソロを放つ巨人・村田

セ・リーグ 巨人4-1中日

(4月28日 東京D)
 意地の一発だ!巨人の村田修一内野手(34)は28日の中日戦で、1点リードの4回に9試合ぶりの一発となる2号ソロ。打撃不振にあえいでいたが、4番・坂本勇人内野手(26)の負傷交代により巡ってきたチャンスで、チーム今季26試合目にして初の「4番弾」を叩き込んだ。ヤクルトが敗れたため、2連勝のチームは再び同率首位に浮上。村田の置かれた状況は依然厳しいが、この一発を復調のきっかけとする。

 本拠・東京ドームで今季初のお立ち台。村田の背中に万雷の拍手が注ぐ。笑顔はない。でも、背中に受けた声援は温かくて、身に染みた。

 「長い間、東京ドームで打てていなかったですし、本来ではない姿で野球をしている自分が悔しいし、歯がゆい思い。これからも謙虚にバットを振っていきたい」

 1点リードの4回。大野の投じた2ボール2ストライクからの5球目、真ん中低めのシュートにバットのヘッドが走った。左翼席最前列に弾む2号ソロ。16日のDeNA戦(横浜)で1号を放ってから9試合、33打席ぶりの一発は、仲間のアクシデントから生まれた。

 2試合連続のスタメン落ち。しかし、4番の坂本が初回の走塁で負傷し、2回の守備から入った。途中出場では、横浜時代の04年5月27日阪神戦(甲子園)で代打弾を放って以来、11年ぶりの一発。最初から座った打順ではないが、開幕26試合目にしてチーム初の「4番弾」となった。

 開幕は5番で迎えたが、打撃不振にあえぎ、打順は8番まで落ち、ついには先発メンバーからも名前が消えた。そんな中、試合前練習から逆方向に強い打球を打つことを繰り返した。「昔からそうやってきて、プロ野球の中で自分を確立してきた」。逆方向に強い打球を打つには、体重移動の際に頭が投手方向に動いたらバットは出ない。1号本塁打を放った横浜では、08年北京五輪で打撃コーチとして指導を受けた田淵幸一氏(スポニチ本紙評論家)から「頭が前に出ているぞ」と簡潔な言葉をもらった。この日のアーチ。力が抜け、頭の位置は動かなかった。

 ただ、これで全てが好転したわけではない。チームは一、三塁を守れる新外国人フランシスコを獲得。早ければ来月2日の阪神戦(東京ドーム)から1軍昇格する。16日の1号はインフルエンザで自宅静養中だった原監督は「2回ぐらいまばたきをしました」と言い「ランナーを置いたところ(で打つ)となると村田株もストップ高くらいまでいくのだけどね。勝負強さという部分で打破しないと」と続けた。7回2死一、三塁では三ゴロに倒れていた。まだ今季4打点目。村田に課された役割には程遠い。

 「遠回りすることも間違いじゃなかったと言えるのは現役を辞めた時。今は野球ができる喜びを感じながら打ち込む」。チームはヤクルトと同率首位に浮上した。複雑な思いを吹っ切れるのは、バットを振り続けることによる結果だけだ。

 ≪今季の原監督の村田への厳しい言葉≫

 ★「何とかスコアリングポジションに進めようと考えましたけどね」(4月8日広島戦。村田に送りバントのサインを出すも併殺打に終わる)

 ★「打点が寂しい。(3打点は)投手だって挙げるでしょう」(同26日ヤクルト戦の試合前。同戦で村田はスタメン落ち)

 ★「いい打者より、勝負強い打者が何人いるか(が大事)。まずは20試合で3打点が当面の目標だよ」(同27日、新助っ人フランシスコの練習を見て冗談めかして。村田は25試合で3打点)

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