巨人・高木勇強運デビュー３連勝　“天然”ルーキー球団４人目快挙

[ 2015年4月13日 06:30 ]

セ・リーグ巨人６－１ヤクルト

（4月12日東京Ｄ）
　早くも東京ドームで３度目のお立ち台。巨人の新人右腕・高木勇は最初に気分を聞かれ「何て言うか分からないですけど、しっかり…あれ？頑張ります」。いきなり天然ぶりを発揮すると、最後も「僕は、きょうも頑張りました！」とすがすがしい笑顔で締めくくった。

　デビュー戦から３戦３勝は球団では００年高橋尚以来、１５年ぶり史上４人目の快挙だ。この日は最大の武器である曲がりの大きなカットボール「高木ボール」を「狙って振ってきていると感じた」と察知し、阿部のリードもあって配球を変えた。最速１４８キロの直球に９８キロを計測した緩いカーブ。最大で５０キロの緩急差を駆使し、シュートやフォークでも三振を奪った。多彩な変化球で初対戦となったヤクルト打線に的を絞らせなかった。

　点を取られても引きずらない強さもある。７回１死一、三塁から中村に先制の左前打を浴び、なおも１死一、二塁。それでも「点を取られたと思っていない」と切り替え、最少失点に食い止めた。７回を５安打１失点。直後に打線が３つの押し出し四球で逆転し、白星が転がり込んだ。「持ってる右腕」について、原監督は「しっかり戦っていると勝利投手もくる。ベストを尽くすのが非常に重要だと自分自身も思いました」と称えた。

　プロの世界でも自己流を貫く。三菱重工名古屋時代はブルペンで投げ込むのが日課。社会人６年目にブルペン入りしなかった日には、佐伯功監督に「大丈夫か？」と本気で故障を心配された。先発投手は登板２日前にブルペン入りするのが通例だが、高木勇は前日もブルペンでキャッチボールを行う。独自の調整法が３戦で計３３６球を投げる体力を支えている。

　前日は高卒２年目の田口が初登板初勝利。新戦力が先発陣を支えており、リーグトップの３勝目を挙げた２５歳の新人は「素直にうれしいけど、次へ次へ向けて準備していきたい」と前だけを見ていた。

　≪球団４人目快挙≫ルーキーの高木勇（巨）が３連勝。新人の初登板から３戦３勝は０８年の唐川（ロ）以来。チームでは００年の高橋尚（現ＤｅＮＡ）以来１５年ぶり４人目となった。球団記録は６０年青木の４戦４勝となっており、次回の登板で球団タイ記録に挑戦する。また、前日は２年目の田口が初登板初勝利。巨人の投手成績をプロ２年目以内と３年目以上に分けると
年　数　［勝］―［敗］［Ｓ］　防御率
２年以内　　５―２　　（１）　２．３８
３年以上　　２―６　　（２）　４．２６
　と外国人も含めた新戦力がチームを引っ張っている。