“怪物”早実・清宮JrまたV打 中日スカウト「松井を思い出した」

[ 2015年4月13日 06:00 ]

<早大学院・早実>5回無死、右前打を放つ早実・清宮

春季高校野球東京都大会4回戦 早実11―2早大学院

(4月12日 八王子市民)
 「和製ベーブ・ルース」がまた猛打を披露した。早実の清宮幸太郎内野手(1年)は12日、八王子市民で行われた春季高校野球東京都大会4回戦の早大学院戦に「3番・一塁」で先発出場。初回の先制適時二塁打を含む5打数3安打1打点で、公式戦デビューから2試合連続の決勝打をマークした。視察した中日・中田宗男スカウト部長(58)は「松井秀喜級」と評価するなど、清宮フィーバーは過熱する一方だ。

 規格外の15歳は、3安打しても満足はしない。初回1死二塁で外角低めの直球を叩き、一塁線を鋭く破る先制の適時二塁打。3、5回にも右前に運んだが「納得できない。納得できるのはホームラン。やっぱり駄目ですね」と清宮の自己評価は厳しかった。

 高校公式戦デビュー戦となった9日の駒大高戦は4打数1安打1打点も、ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機で監督を務める父・克幸氏(47)から「打席で力むあまり左膝が折れている」との指摘を受けた。「野球は準備のスポーツ」と言うように、前夜は好調時の映像を見てスイングを修正。本塁打こそ出なかったが、高校時代にソフトバンク・王貞治球団会長を指導した元早実監督の宮井勝成氏(88)は「練習を見た時“そんなに力んだらプロに行けないぞ”“王はもっと柔らかかったぞ”と言ったんだ。でもきょうは良かった。力がうまく抜けていた」と目を細めた。

 一本足打法という豪快なフォームと体の柔軟さに、3人で視察に訪れた中日スカウト陣もクギ付け。中田スカウト部長は「松井(秀喜=星稜出身)の1年の時を思い出した。また見たい。久しぶりに3年間見たいと思う選手」と密着マークを宣言したほどだ。

 周囲の過熱ぶりも、清宮は「こういう環境でやっていかなきゃいけない人間だと思っているので大丈夫」と悠然。「メジャーに行きたい」と夢は大きいが「5回は(4番の)加藤さんのホームランに見入って、走塁を忘れた」と頭をかく姿はあどけなさが残る。次戦は4強入りを懸け、18日に甲子園常連校の関東第一と神宮第2で対戦。日々進化する怪物の打棒に注目だ。

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