最下位だった99年以来の屈辱…阪神 甲子園初戦から3連敗

[ 2015年4月10日 05:30 ]

<神・D>8回2死一、三塁、好機で上本が中飛に倒れ、和田監督(右から2人目)も厳しい表情

セ・リーグ 阪神1-2DeNA

(4月9日 甲子園)
 阪神は9日のDeNA戦(甲子園)に敗れ、泥沼の5連敗で借金2となった。和田豊監督(52)は開幕以来11試合で2番起用していた上本博紀内野手(28)の打順を7番に下げるなど打線のテコ入れを敢行したが、1点どまりに終わった。甲子園のシーズン初戦からの3連敗は最下位に沈んだ1999年以来16年ぶりで、同一カードに限れば95年広島3連戦以来20年ぶりの屈辱。眠れる猛虎よ、そろそろ目覚めてもらわんと、困るで!

 猛虎が長い“連敗トンネル”に迷い込んだ。1点差に迫り、なおも2死一、三塁の好機を作りだした8回。皮肉にも打席に向かったのは、2番から7番に打順を下げた上本だった。打てばヒーロー。そして指揮官のタクトも大当たり…のはずだった。しかし結果は中飛。打順組み替えも、チームを覆う暗いムードを振り払うことはできなかった。試合後の和田監督はそれを「壁」「殻」と表現した。

 「お膳立てというか、あと一本というところまでは行くんだけど、そこからの壁というかね。それが破りきれなかった」

 3夜続けて甲子園に虎党のタメ息が充満した。8安打を放ちながら、得点は1点どまり。つながらない打線が、8回途中2失点と粘投した先発・岩崎を見殺しにした。

 「もちろん選手たちも何とか先に、という気持ちではいるんだけどね。ツキがないわけじゃないんだ。俊介は状態がいいから出しているわけだからね。決してツイていないとか、そういうことではない。そこで出るか出ないかの勝負だから」

 あと1本が出ない。まずは両軍スコアレスで迎えた5回。2死満塁の先制機では、今季初スタメンとなった俊介が右飛に打ち取られた。2死無走者から梅野、岩崎の連打で作った一、二塁の7回の好機も、頼みの鳥谷が左飛に倒れた。そして冒頭の8回。好機は作っている。ただ、それをことごとく逃してしまっては、指揮官も打つ手がなかった。

 「もちろんチームとしては非常に悔しい(甲子園)3連敗。ただ、選手たちは、ここは悲壮感はいらない。また明日からという気持ちで。新たな気持ちでやってほしい」

 痛恨の5連敗。借金は2に膨らんだ。いや、それだけではない。地の利があるはずの甲子園で、痛すぎる同一カード3連敗。甲子園のシーズン初戦からの3連敗は、同4連敗を喫した99年以来、16年ぶりの屈辱となった。99年と言えば、最下位に沈んだ野村阪神1年目。球団創設80周年という節目の年に、世間から「暗黒時代」と揶揄された、当時と同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。敗軍の将は気丈に「もう一歩というところまでは来ているから、何とか早い段階で殻を破りたい」と前を向いた。前に進むには、勝つしかない。

 ≪16年ぶり連敗≫阪神は今季最長の5連敗。連敗中はすべて相手に先制を許す苦しい展開に。甲子園開幕戦から3連敗を喫するのは、99年に4連敗(中●横●●●)して以来16年ぶり。また、DeNA戦のカード3連戦全敗は13年7月26~28日(甲子園)以来2年ぶり。

 ▽99年の阪神 野村克也新監督のもと、開幕3、4カード目の甲子園4連敗などで出遅れたが、その後は持ち直して6月9~15日に首位を経験。期間中の12日巨人戦では新庄が敬遠球を打ってサヨナラ勝ちした。しかし、7月以降は大型連敗を繰り返し、9月は球団ワーストの12連敗を含む4勝17敗と大きく負け越し。結局、55勝80敗で最下位に終わった。

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2015年4月10日のニュース